今の学校に来る前は、その地域で一番の進学校で勤務していました。
私はバドミントンをずっとやってきていたので、その学校では希望どおり女子バドミントン部の顧問になることができました。
赴任してから3年目に美術部の顧問を掛け持ちさせられました。
本当は断りたかったのですが、美術の非常勤講師の方に懇願されました。前の顧問の方が転任してしまい、校長からも言われて仕方なく引き受けました。
美術部の生徒たちには申し訳ないですがほとんど名前だけで実質、美術の先生が顧問でした。
一学期の終わりかけの頃に美術の先生から美術部の夏合宿の相談を受けました。
たしか年間スケジュールはもらっていましたけど、合宿があるなんて気づいていませんでした。 バドミントン部の夏合宿は前から調整してきたのですが、美術部の合宿まで行くのは気が重くなりました。
私が行かなくちゃ駄目なの?と言うと、美術の先生は美術部は男女いるから、一つ屋根の下に泊まって間違いがあるといけないから… と言い訳がましく説明をしてきました。
何でも、彼の知り合いの貸別荘を安く借りれて、そこは広いから、製作活動もできるし、男女別のお風呂もあって寝る場所もきっちり別れているけど、女性の先生がいてくれると安心です。
それに非常勤の自分には引率の資格無いです…と言われました。
確かに私が行くべきのような気もしましたが、 たかが絵を書くのに合宿なんて、必要なの? と嫌みを言ってしまいました。 言った途端後悔したのですが、夏合宿を2つも従事させられる身にもなって欲しいと思いました。
普段は大人しい美術の先生は、傷ついた怒りの表情を見せていましたが何も言いませんでした。
さすがに、気がとがめて、断りずらくなりました。結局、私も行くことになった上に車まで出すはめになりました。
当日は、近くの有名な美術館に行ったあと、午後は、創作活動になりました。
私は美術の指導は戦力外なので読書したり、夕飯の準備をしたりして過ごしました。
貸別荘は居心地がよく、渋々参加したわりには楽しんでいました。
バドミントン部の合宿のように少しでも生徒を成長させたいという野心もなく、気楽に過ごしました。 美術部の生徒は女子が5名男子が4名で、女子はいかにも今時の生徒たち、男子は草食系というかオタクっぽい生徒たちでしたが、不思議と仲がよく、美術の先生を慕っていました
※元投稿はこちら >>