自然な形がいい、真理恵先生のその希望により、そうゆう交際をしてました。
ただ先に書いた通り、ほんとなかなか二人の都合が合わないことが多い中の交際でした。
避妊の類は一切してきませんでした。
外出し、中出しも普通にしてました。
今年夏、俺27才、真理恵先生34才になりました。
俺、お見合いパーティーで会って以来、高校時代同様、真理恵先生を真理恵ちゃんと呼んでましたし、真理恵先生はそれを何も言わないできました。
逆に真理恵先生は俺を、岡田君と呼んで、高校時代そのままでした。
お互い一つ年を重ねたことで、俺はある決心をしました。
そのとき俺は、初めて呼び方を変えました。
『真理恵さん』
『え?え?真理恵、さん?どうしたの?』
『僕と結婚して下さい』
真理恵先生は口を手で押さえ、びっくりした顔をしてました。
『岡田君、いや哲也さん』
口を押さえていた手が降りました。
『ほんとに私でいいんですか?バツイチ、七つも年上ですよ?』
『いいです。お願いします』
頭を下げました。
すると俺の頭に、真理恵先生の透き通る声が、やや震え加減で降りかかりました。
『謹んでお受け致します。こちらこそよろしくお願い致します』
プロポーズは成功しました。
でもその後が真理恵先生らしいセリフでした。
『あのお見合いパーティー、中古車の展示会みたいだったよね?その中で私は、まだちょっとだけ新しめの中古車だった』
『中古車!?』
『お買い上げ、有難うございました』
思わずずっこけそうになるセリフでした。
お互い実家を出て、同居開始が今月初めでした。
式は真理恵先生、指導してたコーラスクラブや合唱団の仕事が片つく一月です。
音楽教室だけは続けます。
そして真理恵先生、年齢的にも早く一人産みたいとのことで、子作りにチャレンジ中です。
もう外や顔になんか、出してる暇はありません。
この結婚、一番喜んでくれたのが、お見合いパーティーに無理矢理連れていった、そしていまだ独身の先輩と、離婚した娘の行く末を案じていた、真理恵先生のお父さんです。
お父さんに真理恵先生の中古車の話をしたら、うちの娘らしいと笑ってました。
そして。
『酔いつぶれた哲也君をかついできた真理恵見て、この子に惚れたな、直感的に思いましたよ。じゃなきゃうちに連れて来ないでしょ』
『元教え子、ほっておけないでしょ』
と父娘で言い争ってました。
※元投稿はこちら >>