ドライブその1
高橋先生とドライブとかに出掛ける事もあった。
先生はドライブが好き、と言うのは再会してから知った事。
愛車は白いシビックだった。
最初のドライブは海だった。
南三陸の海浜公園で綺麗だったのを覚えている。
この時、外では姉弟という決まりが出来た。
最初は「先生」という言葉が出かかり慌てる事もあった(笑)
車で2時間ちょっと、車が好きな俺の気晴らしになればと思ったのだろう。
先生の作ったお弁当を食べ、缶ジュースを飲むお昼。
母親の味付けとは違う食事は新鮮だった。
から揚げが美味しかったのを覚えています。
「ねぇ、気分良いよね!たくみ君は元々明るいんだから無理しろとは言わないけど頑張りなよ!」
と背中をバシバシ叩く。
先生に気持ちを吐き出し、会話をする事により気持ちは最初と随分変わったと思う。
相談と言う物は、解決しなかったとしても気持ちは随分楽になるものだ。
それは今でも変わらず、言葉にして出して相談をすると、解決の糸口に自分で気付く事もある。
帰りの時間が近くとベンチに腰掛けお互い肩を寄せ合った。
秋が終わりに近づく季節、海風が寒い公園に人影は余り無い。
先生の手を握るが、こればかりはいつも手に冷や汗が出る(笑)
「何緊張してんの(笑)?手に汗かいてるよ!」
と先生は笑い、握った俺の手にもう片方の手を被せて撫でる。
「手が冷たいね?寒いから戻ろうか!」
と言うと先生から唇を重ねて来た。
自分からしたかったが普通のカップルとはまるで逆だ(笑)
帰り道、自分としては色々考えて自然に話しを振ったつもりでも今なら穴を掘って隠れたくなる言葉を俺は言いやがった。
「先生、ラブホテルって普通のホテルと何が違うの?」と(笑)
確かに目の前にちらつき始めたラブホ街、先生はそんな俺の馬鹿な質問の意図を知っていたと思う。
「ん~~、まぁ普通のホテルよりお風呂が広かったり、ベッドが広かったり、照明にしても音楽にしても調整出来る物が多いかな?」
「ベッドが回ったり鏡張りだったりするの?」
「ないない(笑)今時そんなの無いよ(笑)」
てな感じ(笑)
馬鹿でしょ?
「見たいの?気になる?じゃあ見て見ようか?見るだけで良いんでしょ?」
とちょっとだけ悪戯っぽい笑顔を作る先生に俺は、うぅ~ん見たいけど、見せてくれるの?と隠せて居ないのに平静を装って答えた。
当時の俺が目の前に居たら確実に後頭部を叩くね。
続く
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