綾子を家に上げはしたものの暖をとらせる方法に悩みました。
と言うのも綾子の弟がボヤを出しかけた事は我が家にも少なからず影響を与えており、親の不在時にガスや灯油を使う事は禁じられていたのです。
エアコンもない貧乏賃貸で、風呂もガス釜。それも自動給湯器ではなく昭和の風呂釜でしたので扱い方は知っていても、親不在ではそれを使う事もできず。
とにかく綾子を温めなくては!と私が取った行動は布団を敷いて綾子を寝かせ温めてあげよう、というものでした。
早速押入れから敷布団と毛布、掛け布団を取り出し綾子を寝かせました。しかし身体の芯から冷えてしまっているらしくなかなか顔色が良くなりません。
私「綾子、まだ寒いか?」
綾子「・・・さっきよりはだいぶマシ。でもまだ震えが止まらないの。」
ふと、私の脳裏に浮かんだのは何年か前に学校の体育館で見せられた映画のワンシーンでした。
情操教育の一環で観せられた映画はある登山家の生涯を元に作られた創作でその中に、
冬山で遭難した時、暖をとる為肌と肌で温め合う
というワンシーンがあったのです。
ガキ同士がそんなシーンを観れば、恥ずかしがって見えないフリをしたり、逆に興奮して騒ぎ出す奴もいたり。
私は寝たフリをして観てないフリをしてましたが、頭の中にはしっかりと記憶されていました。
更に担任がクラスで興奮して騒いでた一部の男子生徒を宥めるように「凍傷になってしまうと手足の先が腐って取れてしまう。それを防止するために人の肌で温めるんだ」と弁解じみた事をいったのもあったのでしょう。
私「綾子、服脱げ。肌で温める。」
全校生徒で観た映画だったので綾子の説得は容易でした。幼馴染みでもありお互いがまだ小さかった数年前までは一緒に風呂も入っていた仲です。
お互いを温め合う、という目的のため私も綾子も全裸になり一つの布団に入りました。
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