短大生だった二十歳前後の彼女を見ていた僕の方は直ぐに彼女だと気付きましたが、当時まだ高一だった僕の成長に『どこかで見たような・・』と言った反応をミサキさんは・・
「 ミサキさんでしょ? 子供さんできたんですね! 」
結婚されたのは聞いてはいたのですが、子供さんが産まれていたとは知りませんでした。
「 ユウちゃん? ユウちゃんだよね? 」
数メートルの距離で顔を見合わせ、先に話し掛けた僕の声と雰囲気で『あっ!?』と言う感じに思い出されます。
「 へぇ~っ! イケメン君になったねユウちゃん! 昔から女の子みたいな顔はしてたけど! 」
約8年振りに会ったのに、そんなブランクが無かったかのようにミサキさんの中では『可愛いユウちゃん』と言う当時の感覚の様です。
彼女の方はと言うと、当時は中学の頃からロングで短大の頃はそれを少し染めて綺麗なお姉さんと言った感じだったのが、今ではショートカットで・・
「 髪、随分短くされたんですね? ミサキさん、ずっとロングだったのに・・ 」
「 これ? 子供が出来ちゃうとね、こっちの方が楽なのよ! 」
子供さんに手が掛かる分ショートの方が手入れ等が楽なのでしょう、髪を触りながら言われました。
「 でも、何でこっちに? 」
僕も実家を出ていますので、地元の方には正月や盆位にしか戻りませんが、ミサキさんは他の町に旦那さんと暮らしてると聞いていましたから・・
「 ううん・・ ちょっとね・・ 」
笑顔でそう言われましたが、幼い頃から知る彼女ですから、只実家に遊びに来ていると言うわけではなさそうです。
その証拠と言ったら辺ですが、少しして公園に来られた娘さんと同い年位の子供さんを連れられたらお母さん二人と親しげに話されていましたから・・
子供さん同士が遊ぶ中、ミサキさんは二人のお母さんに僕の事を『弟みたいな存在』だと紹介してくださりました。
僕自身余り人見知りしない性格ですし、お母さんの1人が僕の実家の近くでうちの両親とも面識があると言う事も重なり変な緊張感も無く会話が・・
どうやら、幼稚園に通うミサキさんの娘さんのママ友らしく、そうなると彼女はこっちに住まわれている事になります。
『何でだろ?』と、少し不思議には感じましたが、深くは追及せず彼女の方からアドレスの交換をと言ってくださり、交換してその日は別れました。
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