部活帰りの恵美を発見、声をかけてみました。
『最近、機嫌悪くない?』
『そんなことないよ』
『この前、二人でって電話で言ったでしょ?二人だけで遊びたかった?』
『う~ん?言ったっけ?』
とぼけていました。
俺の勘違いかなと思いました。
『んじゃなにかの間違いかな?ごめんな』
そう言って去ろうとしました。
『待って?』
え?と振り返りました。
『私みたいなの、嫌だ?』
『なんの話し?』
『私と二人で歩くの、嫌だ?』
思い出しました。
以前みんなで一緒に遊んだとき、私と二人切りで歩きたいとか思う人、いないのか?と恵美が言ったんです。
な~に言ってんのとみんなで笑い、ポカポカと頭をみんな叩かれたんです。
『私は孝文となら二人で歩きたいよ』
言葉を失いました。
『嫌なら嫌でハッキリして?構わないから』
正直、女の子としてほとんど見てなかったし、もちろんこうゆう展開も初めて。
絞り出すように答えました。
『い、嫌じゃないよ』
『私のこと、どう思ってる?』
『お前は俺のこと、どう思ってるんだ』
『好き、四年生あたりからそう思ってる』
全然知らなかったです。
『女の子らしくないからダメ?私』
『女の子らしくなったら、恵美が恵美じゃなくなるかも。好きかと聞かれれば、恵美が好きだ』
『じゃ、私らしさを失わない程度に女の子になる努力する』
『うん』
その日は途中まで一緒に帰りました。
交際、まではいかないものの、たまにみんなで遊んだり、時々二人で遊んだりしてました。
恵美は確かにちょっと変わりました。
言葉使いや仕草がちょっと女の子らしくなっていきました。
以前は馬鹿野郎、殴る蹴るが当たり前。
意識してなのか自然になのかはわかりません。
ただ活発でハキハキしたとこは変わらず。
俺も恵美に恋心を持つようになりました。
と言うより、やっと女の子として見れるようになりました。
三年、初夏、もうすぐ俺の誕生日って日曜。
その日は二人で遊ぶ予定でした。
うちに迎えにきてと言われて行きました。
それ以外はなにも言われてなかったんです。
『ごめ~ん、ちょっと上がって待ってて?』
そう言われ、リビングで麦茶を出され、待ってました。
両親もいないみたいでした。
『お待たせ』
声がする方を見ると、心臓が止まるくらい驚きました。
またまた続きます
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