車をレンタカー屋に返しに行くと言うので、近くの駅で降ろして貰った。
「本当にごめん、俺何しに来たんだろ…」
しょげてるたかちゃんを目の前にしても、気のきいた言葉をかけてあげる事が出来なかった。
「早く返さないと、文句言われるかもよ」
「そうだね」
「うん…じゃあ」
「うん」
たかちゃんが私の手を握る。
この時は、私に罰が当たったと思った。
無言で手を離す。
「じゃ、行くね」
「ゆうな…」
「気を付けて運転しなよ!動揺してるみたいだし」
「そうだな」
たかちゃんは、力なく少し笑った。
「じゃ」
「うん」
明るく降りて駅に向かう途中、私は一度も振り向かなかった。
そうする事が、たかちゃんの為だと思いながら…
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