ダッシュで忘れた自転車を取りに行き、駅からノロノロと帰った。
「皆変わってなかった?」
なんて母親に聞かれながら適当に返事をしていた。
その後の夕食も布団に入ってからも明日の事を心配していた。
(どこに行けば良いんだ!?)
あれこれ考えるがとりあえずカラオケ…としか思い付かない。
マヤの好みも分からないし、動物園?イヤイヤ動物園は無いだろ…カラオケっても二時間位だろうし…そもそも女の子は何処に遊びに行くんだよ…
そんなこんな考えていると纏まらないうちに見事に寝落ち…気付けば朝になっていた。
ジリリリ♪という目覚ましの音で目が覚めた。
「ヤベッ!!もう時間がないじゃん!」
俺は飛び起きると慌てて身支度を済ませて家を出た。
自転車を飛ばして駅に向かい、待ち合わせ場所にギリギリに着いた。
しかしマヤの姿はまだない。
(あれ~…来ないのかな)
なんて考えているとマヤが急いで自転車を漕ぐ姿が目に入る。
かなり急ぐその姿は小学生の頃、誰よりも先に走り回っていた時のマヤだった(笑)
「ゴメンゴメン!!遅くなった!!」
顔を紅潮させ、駆け寄る姿に笑ってしまった。
「アハハハハ!!必死過ぎ!…マヤのパンツ見えてたよw」
あまりに必死に漕いでいたからかミニスカートが捲れて見えていたのだ。
昔のノリで返すかと思ったが、さらに顔を赤くしてしまった。
「しょうがないでしょ~!言わないでよ…」
肩を軽く叩かれてこっちの方が恥ずかしくなってしまった。
「昨日と違うね?」
マヤの服装は前日から比べるとかなり短めのスカートだった。
「何着て良いか分からなくて…時間が掛かった」
どうやら前日と似た服装も何だし、とあれこれ迷っていたらしい。
「さくは何処に行くか考えて来た?」
「カラオケ以外が思い付かなくて…考えてる最中に寝ちゃって…」
「じゃあさ、最初に映画行こうよ!観たいのあるし…」
という事で映画を観る事となった。
映画館のある駅まで移動し、映画館を目指す。
元々男友達とすら映画なんて観ないのに、マヤと二人で行くのが不思議な感じだった。
観に行ったのは男女共に人気のあるハリーポッターだった。
お互い飲み物やら買って席につく。
とりあえずキチンと観ましょ、と俺は画面に釘付け。
途中確認もせずひじ掛けに手を置こうと移動したらマヤの手があった。
『ゴメン…』
そう小声で呟いて手を戻そうとしたらパシッとそのまま握られた。
マヤの顔を見るとこちらを見て、スクリーンの薄明かりの中でフフッと恥ずかしそうに笑っていた。
俺も恥ずかしくて思わず笑い返した。
結局残りの三十分以上を手を握ったまま観ていたので映画は半分上の空だった。
「握られて驚いた…」
映画館を出た後にマックで遅めの昼食を食べながら言葉に困って笑いながら言った。
「びっくりしたけど握り返しちゃった♪」
笑いながらマヤは返してきた。
俺は女の子の手の柔らかさと細さに驚いていた。
スベスベなんだな~とかそんな感じ(笑)
「カラオケ…どこ行くの?」
マヤに聞かれて我に返る。
「え!?まぁその辺りにあるよね、確か」
近くのカラオケ屋に入り、部屋に案内されるとマヤは部屋の明かりを暗くした。
普通に友達と行けばやってる事だがこの時は妙にあわてた。
「な…なんで暗くすんの?」
「へ!?さくは明るい所で歌うの?皆暗くしない?」
動揺しつつ、あぁそうだよね!なんて返した。
そんな感じでカラオケはスタート、男同士なら歌わない歌が次々かかる。
ギリギリにマヤも、へ~ヤッパかける曲違うね♪なんて感じだった。
座って歌ってみたり、立って歌ってみたり、動く度にマヤのスカートがヒラヒラしてついつい朝に見たパンツが脳裏に浮かんでは打ち消すのに必死だった(笑)
一時間過ぎた辺りから何を入れるかお互い悩む時間が出てきた。
その間は部屋の中は沈黙だった。
「ね?パフェとか頼まない?」
いつの間にかメニューを見ていたマヤが聞いてきた。
「パフェ!?俺は生クリーム苦手だから、違うの頼もうかな~」
「ケーキもあるよ!どれが良い?」
俺はマヤの隣に移動してメニューを覗き込んだ。
「あ、俺はこのケーキ…」
選ぶ最中に目の前にマヤの太ももが目に入った。
白いな~…なんて考えていた。
「また見たでしょ?」
「え!?」
ドキッとした。
「何を?」
「あたしの足!」
「見てね~よ!メニュー見てただろ?」
「あっそ…分かった、じゃあ注文するね!」
焦る俺を尻目にマヤはインターホンでフロントに注文をいれていた。
すいません…続きます。
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