ラベンダーの入浴剤を溶かすと、浴室いっぱいに香りが広がった。
お湯は、グルグルと回りながら色を変える。
そんなのをジッと見てると頭をポカッとこずかれた。
「なにボサッとして?」
「あ…綺麗だなと思って」
「寒いから入ろ」
一緒にバスタブに浸かるとお湯が溢れた。
「ふ~」
祐二は両手で顔を洗うと天井を見上げて目を閉じた。
排水口に流れるお湯を見てると祐二が口を開いた。
「俺さ…一人暮らしするわ」
「なんで?」
「実家だと色々制限されるし、ゆうなもその方がいいだろ?」
「うーん…」
私は少し考えてから自分の気持ちを伝えた。
「一人暮らしは、もう少し後でもいいよ」
「どうして?」
「祐二が出ていったら、おばさん一人になっちゃうじゃん…」
「別にいいだろ」
「よくないよ。おばさん膝悪いし、可哀想だよ」
「………お前ってさ」
「うん」
「ほんと天然」
「はぁ?」
祐二はクスクス笑いながら私の顔にお湯をかける。
「やめてよー化粧落ちる!」
「泊まりだから落とせよ」
「ん~そうだけど…」
「俺、スッピンの方が好きだよ」
「え?なに?もう一回」
「ばーか」
祐二は照れながら、もう一度私の顔にお湯をかける。
「イタッ目に入った~」
「あ、ごめん」
「うそーん」
「バカゆうな!」
キャッキャッ遊んでいると祐二が言った。
「ガキの頃に戻ったみたいだな」
「…そうだね」
「おいで…」
祐二は優しい顔でキスをくれた。
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