「泊まり料金になります」
ホテルのフロントでそう言われて私は躊躇した。
「どうする?やめる?」
聞いたけど、祐二は前金を払った。
手首を掴まれ、黙ったままエレベータに乗ると扉が閉まりかける瞬間引き寄せて抱き締められた。
「チン」
手を繋いで降りてランプを頼りに部屋を探した。
部屋のドアを開けて前屈みでブーツを脱いでる間、お尻を撫で回す。
「もう…」
スリッパを履き中に入ると綺麗な部屋にテンションがあがる。
祐二もホッとしたのか穏やかな顔をしている。
「どうせ泊まりだからゆっくりしよ」
祐二がそう言うので私はお風呂の準備をした。
入浴剤が二種類…
「あなた~今日はどっちにする?」
「そうだな~」
私の新婚ごっこに付き合ってくれる祐二。
「じゃあ、こっち」
祐二が指差したのはラベンダーの入浴剤。
「安眠できるね」
「そうなのか?」
「ラベンダーは安眠効果があるんだよ」
「へーでも、安眠されたら困る」
本気が冗談かわからない祐二の顔を見て私は吹き出した。
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