土曜の朝、知らないアドレスから一通のメール。
「元気か?」
アドレスは変わっていたけど、見覚えのあるそっけない書き方。
「誰ですか?」
暫くして着信。
「誰だと思う?」
そんな回りくどいのも相変わらず。
「たぶん…た、から始まる名前の人ですか?」
「正解、新しい人出来た?」
なんでそんな事聞くの。
忘れかけていた痛みが甦る。
「うん」
「そっか。ところで、遊びにおいでよ。温泉もあるし、片道なら旅費も出すから」
「…行けないと思う」
「どうして?彼氏がいるから?」
「うん」
「会いたいだけだよ。じゃ、俺から行くわ」
「本当に?」
「うん、行ったら会ってくれるよね?」
一瞬走る動揺。
「彼女は?」
「いないよ」
「恋しなよ」
「いいよ、めんどー」
「相変わらず淡白ね」
「(笑)」
少し頬が緩む。
祐二と上手くいってなかったらもしかして…
人生は全てタイミング。
「私の事はいいから仕事頑張んなよー」
少しだけ、あの人を思い出した朝でした。
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