半分恐る恐る、以外な展開に戸惑いつつ隣に座った。
「驚いてんの?」
と聞いて来た。
「絶対に駄目だと…」
言ってスッキリしたがこの後を悩んだ。
「ハイ!じゃあちゃんと言って~」
俺の方を見ながらニコニコしている。
その笑顔を見てると…からかわれてるのかな?とも思った。
「まーちゃん、冗談じゃないよね?」
そんな問いに驚いたんだと思う。
「え~~!?冗談とかで言わないし、真面目に言ったんだけど?」
「イヤごめん、今でも嘘みたいで…」
あたふたする俺を見ながら笑っていた。
「はい!じゃあ証拠にね…ハイ!」
目をつむりこっちに唇を突き出した。
キスしろって事らしい。
「え…」
迷ったがそのまま軽く口を付けた。
「これで大丈夫?ふざけてたらここまではしないでしょ?」
そう言われた。
天にも昇る気持ちというか、後の記憶はあやふや。
スッキリした気持ちでその日は帰った。
「あんた随分明るくなったね?」
と母親から驚かれたから余程暗かったのかも知れない。
受験もあるし放っておいた方が良いと思ってたみたいだ。
とは言え受験生、そんなに遊んではいられない。
一緒に行動するのは時々だ。
学校も方向が違うから一緒に途中まで、なんて事も無い。
「受験終わるまではしょうがないよ」
とお互い諦めていた。
受験までは我慢だった。
一緒に出掛けた先でもキス止まり。
体を触る時もあったが服の上と悶々とする日々だ。
そして受験当日、特に問題も無く終了した。
「試験どうだった?」
「うん、多分大丈夫」
そんな話しをしつつ、やっと解放された気持ちで一杯だった。
幾日か経った夜に携帯が鳴った。
(しんちゃんが大丈夫っていうなら間違い無いよね?)
「大丈夫!ケアレスミスさえ無ければ」
(今日遊びに来る?)
「今!?」
(…イヤ~しんちゃんの家族が寝てから、ウチは親が泊まりで出掛けていないから)
「解った」
と言いつつも親が早く寝てくれたらね、と言って切った。
え?期待しちゃって良いのかな?と結構ワクワクしていた(笑)
そんな日にはなかなか上手く寝てくれないものである。
いつもは11時には寝る両親も12時にやっとだ。
メールで今やっと寝たからもう少しで行くと伝えた。
1時だ。
廊下に頭を出した。
シーン…としているが何か聞こえた。
イビキだ…多分親父。
抜き足で玄関へ、時々ミシッと音をたてる廊下に焦りつつ裏口から出た。
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