ベッドを軋ませ、Yはアミちゃんの上で腰を振り続けた。
僕は情けない事に止める事も出来ず、手で耳を塞ぎうずくまるだけだった。
頭を小突かれ顔を上げると、ペニスをティッシュで拭きながらYが仁王立ち
していた。
「今後アミに手を出したらただじゃ置かねえからな。 2度と口もきくな、
分かったな!!」と怒鳴った。
僕はブルブルと震えながら頷いた。ベッドに目を移すとすすり泣いて背を向
けるアミちゃんがいた。
それから僕の地獄が始まった。
Yにむりやり野球部に入らされ、特訓という名目でしごかれた。
3年生だが部では後輩なので、1、2年からも使いっ走りをさせられたり、
Yが手を回した他の運動部のやつらからも日常的に暴力をふるわれ、僕に話
しかける生徒は一人も居なくなった。
たまに校内でアミちゃんとすれ違うこともあったが、お互い目をそらした。
あの一件の後、アミちゃんが僕の家に手紙を送ってくれたので、これまでの
経緯が分かった。
アミちゃんが小3の時、母親がYの父親と再婚したそうだ。
Yからの性的イタズラは小4の終わり頃から始まった。体を触られたり、Y
のオナニーを手伝ったりと、当時は遊び感覚でいたので素直に従っていた。
小6になり、生理が始まると拒否するようになったが、親の目を盗んで暴力
を振るわれるので、仕方なく従った。
中1になりYがセックスを強要してきたが、僕の事を好きになっていたので
頑なに拒んだそうだ。
Yの機嫌をとるために毎晩、手と口で奉仕していた。しかし、僕との交際が
始まった時のアミちゃんの変化に気づいたYが部活を抜け出して確認に来
て、見つかってしまったのだ。
アミちゃんはあの夜から毎晩Yに抱かれているらしい。
彼女の為に何かしてやりたかったが、Yが怖くて出来なかった。
いや、それどころか、僕は逃げたのだ。
地方に単身赴任中だった父の元へ行き、進学先もそちらに変えた。
こうして地獄から解放され、それまでの事は忘れようと努力した。
あれから20年近く経った。
祖父母が未だ住むこの街に久しぶりにやって来た。
両親と共に初詣を済ませて祖父母の待つ家へ歩いていると、幼子を二人連れ
ている女性に目が止まった。
アミちゃんだった。
年相応に変わってはいたが、相変わらず綺麗だった。
(良かった。アミちゃんは幸せに暮らしているんだなぁ。)なんだかホッとし
て顔の筋肉がゆるんだ。
もちろん、声を掛ける事なく、通り過ぎた。
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