国民学校と学校名が変わり、戦時体制は学校の遊具にも。それまでなかった登り棒は強烈な棒だった。
5メートル近い直径3センチほどの丸棒が、私の性を目覚めさせてくれた。
まだ体操着はなかったので、ランニングシャツとパンツで運動をした。
8本の登り棒に子どもが掴まり、スタートの笛を待った。ピッと鳴ると一斉に棒にしがみつき、足の土踏まずで棒を鋏む。
足に力を入れ、ずり上がり手で棒をしっかりと掴む。腕の力で身体を持ち上げる。縦棒にしがみつく尺取り虫と同じだ。
腕力に自信のあるソウは、誰にも負けたくないので夢中で登る。圧倒的な早さで1位になった。
全員が終わったところで、模範演技をソウがすることになった。
最高の速さで登ってみせると挑んだ。あと少しで最上端に手が届くところまで来て、股間に異変が起こる。この感覚は何んだろうと、思うまもなく射精した。
余韻に浸っている間もなく急いで滑り降りてきた。
先生からお褒めの言葉があり、みなが拍手してくれた。
その時女の子が、「ソウちゃん、パンツがぬれているよ」気づかなかったがまだ勃起したままだった。
先生が「お前、何を考えているんだ」と平手が飛んで、倒れた。誰かがソウのパンツを引き下ろした。
それ以来ションベンソウちゃんとあだ名が付いた。でも小便ではなかった。