10年も前の話です。GWの最終日だったか、その翌週の日曜日だったか、家の回りの田んぼで『植直し』をしていた時の事。
『植直し』とは田植え機が植えそびれて空いた所に、手で苗を植え足す事なんだけど、まだ手植えが下手くそだったんで、練習って訳じゃないけど、親から家の回りだけ一人で任されて朝からやってました。
最後の田んぼ一枚の半分くらい回って、真ん中に突っ立って腰を伸ばしてたところで、
「何やってんの~?」
って、女の子二人組に声を掛けられました。見たこと無い小学3か4年生くらいの子たちでした。
『植直し~』と教えたけど、分からないらしくて、しつこく聞き直してきました。こっちは朝から2時間休み無しで、腰を屈めて悪戦苦闘してたのでくたびれてて、3回くらいは教えたけど後は面倒臭くなってシカトしてました。
そしたら女の子たちが道路から田んぼの畦に下りて、自分に近づこうとしたらしく、二人とも勢い余って泥田にズボッと落ちてしまいました。道路から田んぼまで傾斜が掛かっているんだけど、草でツルツル滑ったみたいで大騒ぎしてました。
片足だけハマった子が、両足がハマった子を泥から助け出そうと、自分も過って入ってしまって、結局二人ともハマって動けなくなってました。しょうがないなと、仕事をやめて助けに行くと、二人ともゲラゲラ笑って楽しんでました。
助け出してやったのに、何だかわからない理屈をこねて、
「おじさんが悪いんだ!」
って囃し立てて、また笑ってました。ようするにかまって欲しかったみたいでした。泥だらけの靴と靴下を脱がせて、川で洗ってやりました。
その間、脛の辺りにしか泥が付いてなかったのに、膝上丈のスカートを二人ともまくり上げて、パンツ丸出しにしてました。『恥ずかしいから下ろせ』と言ってるのに、『汚れるから』の一点張りで聞きません。
足も洗ってやると言ったら、なぜなのか川に足を入れるのを嫌がったので、被っていた麦藁帽子に水を汲んでザバッと掛けてやったら、なぜかそれは面白かったみたいで、何度もせがまれました。
草の上を裸足ではしゃいで喜んでましたが、だんだん草の下から泥が上がって来て、また泥汚れが広がってしまいました。ジャリジャリさせてるのも可哀相なので、家の水道で洗ってやるからと、パンツ丸出しの二人を連れて帰りました。
泥に浸かってはしゃいでいたのに、足を綺麗に洗う段になったらしゅんとしてました。汚れてしまった事を後悔してるみたいで、靴を思いっ切り泥だらけにしたのは、さすがにまずかったみたいです。手間の掛かる子たちだなと思いながらも、きっちり洗ってやりました。靴下も細かくチェックを入れられながら洗濯してやりました。
すると一人の子が、靴下を洗ってた洗面器を取って中の水を捨てたので、何をするのかと思ってたら、そこにおしっこをし始めました。もうビックリです。
「何してんのー!」
と注意しましたが、止められる訳もなくてシャーっと出し切ってました。終わるとパンツも上げずに靴を洗ってる側から、そーっと排水口に流してました。なんでこんな事したのかと聞いたら、知らない家のトイレを借りるのが嫌だったそうです。
「知らない人ん家の軒先で、お尻出しちゃったら、余計恥ずかしいじゃないか?」
と聞いたら、それは平気だったみたいです。よくわかりません。
洗面器を濯いで側に置いたら、今度はもう一人が洗面器を跨ぎました。いつの間にかパンツを脱いでいて下半身スッポンポンで仁王立ちしてます。あっと止める間もなく立ったままジャーっと飛ばし始めました。
「コラーッ!」
と怒ったのに、おしっこしてる子も、もう一人もゲラゲラ笑ってました。笑いながら飛ばすものだから、こっちまでおしっこを掛けられました。本人は洗面器に入れられると確信してたみたいでしたが、おしっこは洗ったばかりの靴にバシャバシャ降り注ぎました。女の子の両足は当然びしょびしょです。
タオルを濡らして足を拭いてやったら、『おしっこしたから、おまんちょも拭いて。』と言ってきました。なんて大胆な子だろうと思いながら、なるべく手の感触が伝わらないように、これもタオルで拭いてやりました。
すると、もうパンツにおしっこ染みを付けたくせに、初めにおしっこした子が、わざわざパンツを下ろして自分も拭いてと言ってきました。しょうがないので同じ様に拭いてやりました。
洗ってやった靴と靴下を脱水してやろうと思って、縁側にでも座って待ってるように子供たちに言い付けて、脱衣場に行きました。脱水ついでに、おしっこを引っ掛けられた服を着替えて、もうひとつついでにシャワーでも浴びようと思いました。
脱衣籠にシャツを入れ、ズボンを脱いでトランクスをずり下ろしたら、いつの間にか忍び寄ってた女の子に、思いっ切り生ケツを叩かれました。叱り付けても、またゲラゲラ笑ってました。
「なんで、お尻出してんの~?」
なんて、分かりきった事を聞いてくるので、
「おしっこ引っ掛けられたから、体を洗うんだよ。いっしょに入るか?」
と、からかいながら教えてやったら、ぎゃあぎゃあ騒ぎながら逃げて行きました。やれやれと風呂場に入って汗にもまみれた体を流して、マットに座って石鹸で洗っていたら、そーっとこっちを覗きながら、いたずらっ子どもがクスクス笑っていました。
「覗くんじゃないよ!」
と注意したら、『覗いてない!』と減らず口を叩いてきます。困った子供たちだなと、ほとほと呆れていたら、パッと風呂場に二人とも入って来ました。今度はほんとにスッポンポンです。コラコラと注意するより先に、泡まみれの体に抱き着いて来ました。
「足洗って。足。」
と、タオルを持った腕を引っ張ってねだってきます。転んでケガでもしないかと冷や冷やしながら、取りあえず浴槽の縁に大人しく座らせました。
「知らないおじさんに、おまんちょ覗かれながら足洗ってもらって、恥ずかしいだろ?」
と聞いたら、ゲラゲラ笑って、
「えっち、えっち!」
と言いながら、足でチンコを突っつきました。『洗って』と言ってきたくせに、『くすぐったい、くすぐったい。』と笑って足を引っ込めるものだから、二人とも風呂のフタの上にひっくり返って、あそこもお尻も丸見えです。中に落っこちてケガでもしないか冷や冷やしました。
悪ふざけが過ぎるのでお湯じゃなく、冷水でシャワーを掛けてやりました。風呂場が壊れるんじゃないかと思うくらい、ギャーっと大きな悲鳴を上げていました。ブルブル震えるくらい掛けて大人しくしてから、お湯で流してやりました。せっかく冷水で大人しくなったと思ったら、お湯の温かさで元に戻ってしまって、またふざけ出しました。
水気も拭かないで出て行こうとするので、裸のまま抱き寄せて体を拭いてやりました。またぎゃあぎゃあ悲鳴を上げて、
「えっちおじさんだ!」
と、ゲラゲラ笑って暴れまくりました。バスタオルでちゃんと拭けと言ったのに言う事も聞かないで、脱衣場のそこら中に水滴を飛ばしながら、お互いに背中を叩いたり抱き合って跳びはねたりして騒いでました。
「女の子は、ちゃんと拭かないとダメなんだぞ。」
と言ったら、前屈みになってお尻を突き出してます。足をドンと広げて、おまけにあそこも広げました。バスタオルをベロベロ嘗めてツバをべっとり付ける真似をして、うっすら開いた羽二重餅を拭こうとしたら、ぎゃあぎゃあ嫌がって廊下に飛び出して笑ってました。
追い掛けたら、二人とも可愛いお尻をこっちに向けてフリフリしながらふざけてたので、タオルをねじ込むようにして拭いてやると大笑いしてました。ふとした弾みでお互いにお尻がぶつかったら、お尻をぶつけ合ってふざけて『お尻が痛い』と言い出すと、今度は抱き合って触りっこをしながら、
『オッパイ、おまんちょ。オッパイ、おまんちょ。』
と呪文のようにつぶやきながら騒いでいました。何がそんなに楽しいのか、ずっと裸でふざけて笑っていました。お互いに体をこすり合ってたので、適当に体の水滴が乾いてきました。もう強引にパンツを履かせてやろうとしたら、またぎゃあぎゃあ騒いで嫌がりました。
「じゃあ、早く自分で履きなさい。」
と、脱ぎ散らかされてた二人の服の中から、パンツを拾って投げてやったら、
「あたしのじゃない!」
とか、
「裏っ返しだよ!」
とか大騒ぎして、せっかく渡してやったパンツを投げ返してきました。取り替えて投げてやったら、パンツをキャッチボールしてるみたいになってしまって、それが面白くなったらしくて、自分のパンツが渡されたのに勢いで、また投げ返してゲラゲラ笑ってました。
パンツが後ろに逸れると、二人とも仰向けになって足を開いたまんまキャッチしたり、四つん這いでお尻をフリフリ、トコトコ歩いて取りに行って、そしてまた投げてよこしました。いつまで経ってもラチが開かないので、放り上げると見せかけて仰向けになったところで足を押さえて、サッと一気に履かせました。
履かせてやってるのに、なぜか意地でも履かせられまいと足を閉じたり体をよじったりするので、じゃあ無理矢理脱がしてやろうとしたら、二人ともまんまと必死になってパンツを上げました。でも履いたら履いたで、またしゃがみ込んで、
「おしっこ、おしっこ!」
と言いながら、こっちが慌てる様を見てニヤニヤ笑ってました。
そんな事をやっていたら、茶の間の柱時計が鳴ったので『一服しよう』と提案したら、やっとふざけるのを止めました。まだお昼前だったので、サイダーを一瓶ずつあげたら大喜びしてました。皆でパンツ一枚で、茶の間を通り抜ける風に当たりながらラッパ飲みしました。
「どこの子だい?」
と聞くと、一人は意外と近所の子供でした。その子のお姉ちゃんは知っていたので、確か姉弟のはずだったのにと聞いてみたら、いつの間にか生まれていた、そのまた下の妹でした。もう一人は町中の子供でした。お爺さんに連れられて来て、今日初めて出会ったそうです。そんな説明が信じられないくらい、二人とも息ぴったりに恥ずかしい事をやってのけるので、
「ビックリだよ!」
と、呆れ返ったら、ちょっと恥ずかしくなったのか、もじもじしながら照れ笑いしてました。二人の話を聞いて選挙が近い事を思い出しました。会合場所の片隅で大人しくしてなさいと言われたけど、飽きてきて抜け出して来たと言ってました。
洗濯機で靴を脱水して干したけど、当然乾きませんでした。でもしょうがないので裸足に履かせて送って行きました。手を繋ごうとしたら嫌がって騒いでました。送って行ってやってるのに、後ろからバンバンお尻を叩かれました。『何で叩くんだ』と聞いたら、
「でっかいから。」
と言って、会合場所の集会所に着くまで、交互に叩いては笑ってました。集会所では、お昼になるのに二人の姿が見えないと、探しに出掛けようとしてるところでした。出迎えにきたお父さんたちに叱られても、二人は知らん顔をして昼食の席の前にすっ飛んで行きました。
事情を説明したら『面倒掛けちゃったね』と謝られて、御礼にとお弁当と缶ビールまで貰いました。それから二人とは顔見知りになりました。選挙までの2ヶ月くらいの間で、2回ほど会いましたが、挨拶してもよそよそしくて返事もしてくれませんでした。
やっぱり初対面の女の子に素っ裸を見せたのは、そうとうまずかったんじゃないかなと自分でも反省しました。変な大人だと思われてるんだろうなと思ってましたが、それも忙しさにかまけて忘れていきました。