始業式の日。
朝から、久しぶりに会うシンジ、タエと馬鹿話をしていました。
僕は、シンジに厭味タップリのつもりで、声を潜めて聞いてみました。
「冬休み中、男になれたんか?」
「おう!わかるかあ?」
あんまりあっさり言うもんだから、こっちが恥ずかしくなります。
タエも、思いっきり赤くなって、シンジの頭を叩いてました。
「ちょっとぉ!・・・」
「よかったでぇ~・・・」
(ちょっとは、秘密にせえよ・・・)
「痛なかったんか?」
ついでにタエにもちょっかいを出してみます。
「それが、こいつ、あっていう間で、痛いんかなんなんか、一瞬やってん!」
タエが大笑いで、返してくるので、突っ込みようがありません。
「いや、むっちゃ気持ちようて、耐えられへんねんて!」
「血ぃ出るって思てたけど、なかったしなぁ。」
タエがシンジに確かめるように話します。
「オマエ、ほんまに初めてやったんか?」
「ボケッ!オマエのチンコがちっこいからやろ!」
タエは、思いっきりシンジをハタキます。
「アホ!オマエのオメコが緩いんちゃうんか!?」
「無茶苦茶いうわ!・・・トベくん!どうやの!」
いきなり、こちらに振られてどう答えていいのやら。
「コイツとトベくんと、どっちがチンチンでかいん?!」
「えっ!」
「オイッ!アカンぞ!トベのチンコ大人並やねんから!」
「ええっ!ホンマ?」
タエが、好奇の目で僕のズボンを見つめました。
(んな訳ないやろ、剥けてるだけや・・・)
「おはよう。」
話しに割り込んで来たのは、珍しく小阪でした。
「あぁ、おはよう!」
僕は、一瞬坂本との約束を思い出しましたが、シンジ達もいるので大丈夫だ
ろうと、安心していました。
「何の話ししてたん?」
「トベのんが、無茶デカイって・・・」
「え~っ?なにが?」
シンジの言葉に、小阪が笑いながら尋ねます。
僕は、この話題に耐えられなくなって、
「もう、ええやん!」
と、話しを切ろうとしましたが、タエが、小阪になにかを耳打ちしたとたん、
小阪が真っ赤な顔になって、僕を睨みました。
(なんでオレが睨まれなアカンねん!)
「トベ!見せたれ、見せたれ!」
シンジが無責任にも、声をあげました。
適当に誤魔化しながら、話題を変えようと、あれこれ話をしていると、小阪
の膝に大きな擦り傷があるのを見つけて、
「その怪我、どないしたん?」と、聞いてみました。
小阪は、バツの悪そうな顔をして、
「自転車で、三光川に落ちてん・・・」と、ペロッと舌を出しました。
「ええ~っ?!」
僕たち3人は、声を合わせて驚きました。
三光川とは、川とは名ばかりの、はっきり言って街中の汚れた用水路で、ソコ
に自転車で突っ込むことは、いろんな意味で死を意味していました。
「大丈夫なんか?」
僕が、心配して聞くと、
「うん、もう傷もよくなったし・・・」と、あちこちに切り傷や擦り傷、打
撲跡があることを話しました。
(そういえば、年賀状に、『お互い怪我に気をつけましょう』って書いてあっ
たっけ・・・)
「三光川には、トベくんを突き落とす予定やったのにネ・・・」
小阪が、悪戯っぽく僕を見つめるので、タエが気になって尋ねました。
「なに?何のこと?」
「何でもない、何でもない!」
今度は、タエたちを誤魔化すのに一苦労しなければなりませんでした。
4人で笑いながら話をしている姿を、坂本が藤田と話をしながら横目で睨ん
でいたことを、僕はそのとき気づきませんでした。
始業式が終わって、放課後、誰からともなく『初ドッジ』をやろうと言う話に
なって、先生に30分ぐらいならと、許可を貰い、みんながわいわいと運動場
に出て行きました。
「トベくんも、一緒にやれへん?」
小阪が声をかけてくれましたが、そのとき坂本の刺すような視線を感じて、
「いや、オレはええねん!」と、断りました。
ホントは、たまには坂本とドッジもいいかな、と思ってたんですが、小阪に
誘われた形で、普段ドッジなんてしない僕が、のこのこついて行ったりした
ら、坂本に何をされるかわからないので、断るしかなかったんです。
クラスの三分の二が運動場に行き、残りは帰宅組みで、僕はまだ坂本のいる
運動場に未練があって、どっちつかずのまま、しばらくイスに座っていまし
た。
教室には、まだ2,3人が残っていましたが、何気なく教室の入り口を見る
と、藤田が廊下に立って、こちらをジッと見つめていました。
藤田は、僕と視線が合うと、小さく頷いたあと、姿が見えなくなりました。
僕は、ちょっと考えてから、席を立つと、廊下に出ました。
あたりを見渡しても、もう藤田の姿はありません。
僕は、廊下の突き当たりの階段を昇り屋上階へ行きました。
屋上に出る扉の前には、少し広い踊り場があって、そこに廃棄予定なのか、
古い木製の児童用の机とイスが積まれていて、全体をブルーのシートで包ん
で、ロープで固定してありました。
僕は、そのブルーシートの壁際の端を捲って、中を覗きました。
積まれた机の一番下の段には、長い会議用の机が置かれていて、その会議机
一つ分の空間だけが、人が入れるスペースになっているのです。
僕は、会議机の下を這うようにして入りながら、奥に向かって声を掛けまし
た。
「やっぱりココにおったか・・・」
「来ると思ったわ・・・」
足をこちらに向けて、机の下で横になった藤田が、擦り寄ってくる僕を見つ
めていました。
会議机の下は、子供でも二人だと身体をくっ付けないわけにはいきません。
僕は、藤田のスラリと伸びた脚の上を四つん這いで跨いで、腰にたどり着き
ました。
彼女のスカートの中は、丸見えだったんですが、白いタイツを穿いていて、
面白くありません。
とりあえず、仰向けになっている藤田の脚の間に強引に膝を割り込ませて、
さらに前に進みました。
藤田の身体からは、えもいわれぬいい香りが漂ってきて、僕のチンチンはす
でにカンカンでした。
なので、藤田の顔の前まで来たときには、僕は、ハアハアと息を荒くしてい
たのでした。
僕の身体が間に入っているので、藤田の脚は自然と膝を曲げた状態で、開い
ています。
もちろん、まだパンツもタイツも穿いてはいるのですが・・・
藤田に顔を近づけると、嫌そうに顔をそむけます。
「顔近い、顔近い!」
そう言われて、僕は顔の位置を藤田の胸元まで下げました。
藤田との身長差を考えると、この位置のほうが体勢が安定します。
彼女は、胸をガードするように、手を身体の前で、交差させていました。
僕は、藤田から漂う芳香に、堪らず、首筋に顔を埋めて息を吸い込みました。
「ちょっと、そんなことで誘たんちゃうよ!」
「まあ、そうやろうけど・・・」
僕は藤田とのこの状況に逆らえず、彼女の首筋に唇を這わせていました。
「トベくん!私がアンタのこと嫌いなん分かってる?」
「ああ、目で分かるわ、目で・・・」
「ったく・・・分かってへんやろ・・・」
藤田の低い声が響きます。
そのとき僕は藤田の胸のガードを退けようと悪戦苦闘していました。
「ちょっと!落ち着けへんから、じっとしとりよ!」
「オレも落ち着けへんねんって!ちょっと、手、退けてみて!」
藤田のガードを半ば強引に解いて、僕はフカフカの胸に頬を寄せました。
「はあ・・・これで、落ち着くわ・・・」
「アンタ、マザコンやろ。」
藤田が鼻で笑いました。
「マザコンってなんや?」
「アンタみたいに、大きくなっても、お母さんのオッパイが恋しい男のこと
を言うねん。」
僕は、藤田の感触を楽しみながら、
「そうかも知れへん・・・」と、納得するところがありました。
「オレ、オッパイ滅茶苦茶好きやもんなぁ・・・」
「あ、そう・・・」
気のない返事をしながら、藤田は、僕の頭を抱き抱えました。
「アンタ、冬休み前、小阪さんとなんかあった?」
「へ?」
急に話題が変わって、何のことかと思いましたが、じっくり考えて、
「ああ・・・帰りに、荷物持ってくれたんや・・・オレ、怪我してたやろ?」
「そんだけか?」
僕は、すっかり男のスイッチが入ってしまって、そっと藤田の上着のボタン
をはずして、ブラウスの上から乳首を探し出して口に含みました。
「う~ん・・・肩抱いて、オッパイ触った・・・かな?」
「呆れた男やねぇ・・・」
藤田は、乳首から僕の顔をずらそうと、手に力を入れます。
「一瞬やん、一瞬!」
僕は、藤田に対抗して、大きく口をあけると、タップリのオッパイを含んで、
唇で揉みしだきます。
「んんっ・・・そんなこと・・・するからやわ・・・」
一瞬藤田の抵抗が弱まります。
僕は、夢中になって藤田のおっぱいの柔らかさを口全体で感じていました。
「小阪さん・・・怪我したん知ってる?」
「えっ・・・ああ、聞いた・・・自転車で三光川落ちたって・・・」
藤田は、僕の頭を抱えながら、途切れ途切れに話し始めました。
終業式の翌日のクリスマス会の日、藤田の家を知らない小阪を坂本が案内し
て、自転車で藤田の家に向かってたそうです。
その途中で、車を避けようとした坂本の自転車が、小阪の自転車にぶつかっ
て、はずみで川に落ちてしまったんだと・・・
「それ、坂本が、突き落としたんちゃうか?」
冗談のつもりで言って、僕は自分で怖くなりました。
何しろ、僕が階段から落ちたのも坂本が怪しいと思っていたからです。
「私も、そう思う・・・」
服の上からとは言え、オッパイを口に含まれていて、藤田の鼻息が荒くなっ
ていました。
「詳しいコト、解れへんねんけど、最近、かっちゃんおかしいねん・・・」
藤田の言葉に、乳首を唇で挟みながら、僕もボソボソと応えます。
「オレも、坂本の家で・・・階段から落ちた・・・」
「そんなことやと思・・・ちょっとぉ、なんか当たってる!」
「えっ?ああ・・・」
僕は、無意識に尖ったズボンを藤田のタイツの真ん中に押し付けていたんで
す。
「ちょっと待ってな、何が当たってんか調べるから・・・」
すっとぼけて手を下ろすと、手早くズボンとパンツをずり下げて、チンチン
を剥き出しにしました。
「当たってたん、これやったわ・・・」
自由になったチンチンをタイツに押し付けると、藤田の湿り気を先端で感じ
る気がします。
「こらぁ!よけい、気が散るやろう!」
藤田を無視して、タイツのザラザラ感を味わいます。
「つまり、坂本が小阪にやきもち妬いてってコトか?」
ツンツン突ついていると、温かくて気持ちいい・・・
「・・・」
「どうしたん?」
藤田が返事をしないので、声を掛けると、慌てて応えました。
「えっ?あ、あぁ・・・大丈夫・・・」
何となく、ぼうっとしている様子で、返事をする藤田に、
「オマエ、気持ち良うなったんとちゃうか?」
と、腰で突付きながらからかいました。
「アホッ!考え事してただけや!」
藤田は、すぐにいつもの強気の口調に戻っていましたが、この体勢で、顔が
見えないのが残念です。
「でも、なんで坂本がオレと小阪のコト、知ってんや?・・・メッチャ詳し
く知ってたみたいやから、クリスマス会で聞いたんかと思てたけど。」
「小阪さん、そんなんベラベラ喋る子ちゃうし・・・」
藤田は、チンチンが中心に当たらないように左右にお尻をずらします。
「クリスマス会も、中止になったし・・・」
(中止になったんや・・・)
僕は、考えながら、乳首を唇で優しく噛んで、右手をオッパイに添えます。
藤田は、その手を、ピシャッと叩いて退かします。
「アンタの後、尾行してたんちゃうか?」
「そんな・・・」
僕は、突ついているうちに、タイツの真ん中に湿り気を帯びた窪みを発見し
て、そこを集中的に攻めました。
「ちょっと!なんか、夢中になってるとこ悪いけど、前みたいに服汚さんとっ
てや!」
「あ、あかん・・・もう限界来そう・・・」
「ちょっと、止めてよ!」
「ちゃんと、パンツ洗ろたるやん・・・」
「もう!退いて!」
藤田は身体を起こすと、僕を押し退けて、頭が机の天井に当たらないように
首を低くして体育座りをしました。
さすがに藤田の方が体格が上なので、本気になると容易くはね除けられます。
ということは、いままでは本気で抵抗してなかった訳ですが・・・
藤田との戯れも、これで終わりかと思いましたが、彼女はスカートの中に手
を入れて、タイツを脱ぎ始めました。
「なあ・・・覚えてる?二年の時、みんなで府営公園行った時のこと・・・」
僕は、しばらく考えながら、脱いだタイツを脇に置き、パンツにも指を掛け
る藤田を見ていましたが、パンツを脱ぐのを見て、記憶が鮮明に甦りました。
「ああっ!思い出した!」
二年の終わりの春休みに、組替えで別々になるからと、友達何人かで府営公園
へ出かけたことがありました。
「オマエ、あんときオシッコ漏らしたやろ!」
「やっぱり、そこ、思い出すか!?」
あの時、かくれんぼをしてて、一緒に植え込みの中に隠れていた僕の隣で、
藤田は我慢できずにオシッコを漏らしてしまったのでした。
「そうや、そんときもオレ、オマエのパンツ洗ろたってんや!」
「うん・・・男子はきちゃない!とか、くさい!とか言ってからかうし、女
の子も大丈夫?大丈夫?とか遠巻きに言うばっかしやったのに、トベくんだ
け、平気で私のスカートに手ぇ突っ込んでパンツ脱がして・・・洗ってくれ
たんや・・・」
「そうか!オレ、女の子のオメコ初めて見たんは、オマエのやったんや!」
「スケベな言葉、言うな!」
藤田は、手にしていた、脱いだばかりのパンツを、僕の顔にぶつけました。
僕は、まだ温かいパンツを手に取ると、湿った股のところを鼻先に近づけ、
クンクンしました。
藤田の甘い香りが、体を痺れさせます。
「こらっ!ヘンタイ!返せ!」
藤田が、奪い返そうと手を伸ばしますが、それをかわして、パンツを上着の
ポケットにしまいました。
「これ、ちょうだいな!」
「アホ!ちゃんと返せよ!」
藤田は、僕から強引に取り返そうとはせずに、笑って言いました。
それから、藤田はスカートとブラウス、シミーズの背中側を腰の上まで捲り
上げ、直接お尻を床につけて、ゴロンと仰向けになりました。
「よっと・・・これで服汚されんですむわ・・・」
見ると、前はスカートで隠していますが、お尻の下は直接床なので、確かに
僕が出してしまっても、服を汚す心配はないわけですが、それは、シテもい
いってコトなんでしょうか?
僕は、唾を飲み込んで、スカートに手を伸ばしました。
「だあ~め・・・」
藤田は僕の手首を掴んで、スカートに触れさせません。
「ほらっ、そのまま・・・そのまま・・・」
僕の身体を、自分の上に誘います。
「藤田・・・さん?・・・」
ゴクリという唾を飲み込む音が、彼女にも聞こえたはずです。
「言っとくけど、私、処女なんやからね・・・」
藤田は、恥ずかしそうに小声で言いました。
「しょじょって・・・なに?」
僕は、その言葉を知らなかったので、平気で聞いてしまいました。
彼女は、いっそう赤くなって、睨みます。
「あの・・・セックスしたことない女の子のこと・・・」
でも、僕は、ホントにそういった用語を知らなかったんです。
「せっくすってなんや?」
藤田は呆れて声をあげました。
「もう!アンタ、かっちゃんとシテるんちゃうん!?」
「ああ、ひょっとして、オメコにチンポ入れることか?」
「・・・そういうの、言わんといてよ~・・・」
藤田が耳朶を真っ赤にして、泣きそうな顔になっています。
「・・・ふう~ん・・・セックスって言うんか・・・」
僕は、新しい言葉を習ったときのように、セックス、セックスと呟きながら、
藤田の脚の間に身体を入れました。
「なあ、初めてセックスするんがオレでええんか?」
藤田は、キッと僕を睨みつけて、
「アカンに決まってるやろ!」と、怒ります。
「私、痛いの我慢して、アンタに初めてのをアゲル義理なんかないんやから
ね!」
「・・・じゃ、どうするん?・・・やめとく?・・・」
「パンツ脱いだんは、汚されたくなかったから!そやから、さっきみたいに
当たるぐらいにしといて!・・・もし、やめれるんやったら、やめて欲しい
し・・・」
(・・・それやったら、普通に断ったらええのに・・・)
「ふ~ん・・・」
藤田の態度がよく分からず、納得したと言うより、まっ、いいか!って感じ
でした。
「藤田・・・」
僕は、はやる気持ちを抑え、照準を合わせて、そっとあてがいました。
「うん・・・」
藤田は、少し不安そうな顔で、僕を見ています。
「・・・ちゃんと、オマエもよくなるようにしたるからな・・・」
その言葉に、ホッとしたように微笑んで、僕の頭を胸に抱えるように腕を回
してきました。
「無理せんとき・・・早よ終わってくれたほうがええんやから・・・」
僕は、ゆっくりと腰を動かし始めました。
先端が、ヌルッと入り込んだとき、柔らかな感触にマサコの身体を思い出し、
終わりそうになってしまい、あわてて一旦抜きました。
怪訝そうな顔で、伺う藤田に、余裕を見せたくて、
「いまの、痛くなかったか?」と、聞いていました。
「うん・・・今ぐらいやったら・・・」
藤田の声は心なしか震えていました。
「そうか・・・痛かったら、言えよ。」
「うん。」
その返事が妙に可愛くて、ドキドキしながら、また彼女の中に、侵入してい
きました。
柔らかな感触を感じながら、藤田の表情を確かめつつ、そっと分け入ります。
先端から四分の一ぐらい、カリが埋まった辺りで、藤田が「うっ!」と低く
うめいたのを聞いて、その深さまでのツンツンを繰り返しました。
思えば、マサコとも最初はこれぐらいの挿入でした。
初めてのときはホントにあっという間だったのに、マサコとの経験と、坂本
との冬休みの特訓の成果で、ずいぶん長持ちするようになりました。
僕たちは、しばらく黙ったままで、ツンツンしていましたが、藤田が小さく
口を開きました。
「かっちゃんと・・・こういう風にしてるん?・・・」
「えっ?ああ・・・」
(こんなもんやないけど・・・)
「そうかぁ・・・」
藤田が感じているのかどうか、伺い知ることができません。
「夢中になるの、分かる気がする・・・」
「気持ち、いいんか?」
「うん・・・」
藤田は、脚をもう少し開いて、お尻の位置を直しました。
「私、エッチなんかなあ・・・」
ため息混じりで呟きました。
「そんなことないよ、ココは誰でも触ったら気持ちいいトコなんやから。」
動きにゆとりができて、僕は少しだけ、腰の振幅を大きくしました。
「トベくんも・・・気持ちいいの?」
「ああ、すっげぇ気持ちいい!」
「ほんま?」
「ほんまやけど・・・どうして?」
「だって・・・長いことシテくれてるし・・・」
『シテくれてる』と言うことは、少なくとも、いまの行為が長引いているの
を歓迎しているのでしょうか?
「この間は、私、逃げる余裕もなかったもんね・・・」
藤田の声には、クスクスと言う笑いが含まれていました。
「・・・ごめんな・・・」
「トベくん、謝らんとって!私が悪かってんから・・・」
「いや、どう考えても、オレの方が悪いと思うで。」
「うん・・・ホントは私もトベくんが悪いと思てんやけど・・・」
そう言ってから、二人はツンツンしながら、抱き合って大笑いしてしまいま
した。
笑いながら、僕はあのときのことを思い出していました・・・
***************
坂本との初デートの翌日、月曜日の『終わりの会』の時間、先生が、「こん
なことがありました。」と、話しを始めました。
それは、先日の土曜日の放課後、ある男子が女子のスカートを捲って泣かせ
た、という話しで、そういった、相手の心を傷つけるような行為を絶対にし
ないよう、注意する内容でした。
先生は、名前を出さなかったのですが、クラスのみんなには、誰と誰のこと
なのか直ぐに解って、僕は男子からはヒーロー扱いされ、女子からは白い目
で睨まれました。
放課後、結局、その日も職員室で先生のお説教を受けた後、みんなが帰った
教室で、自分の席に座って机の中のものをランドセルに詰め込んでいると、
藤田が単独、乗り込んできました。
僕が、ため息でやれやれと思っていると、机の横にドカドカとやってきて、
仁王立ちになりました。
「トベくん、どういうこと!」
「どういうことって?」
僕は、彼女を見上げながら、一応、とぼけてみます。
「かっちゃんに、何したん!」
「ああ、スカート捲っただけやん・・・」
「なによ!その言い方!」
僕は、もう見上げるのに疲れて、視線を落とすと、直ぐそこに、スカートの
アノあたりがユラユラ揺れています。
スカートからは、女の子の匂いがほのかにしました。
「ちゃんと、謝ったよ!」
僕は、藤田のアソコの辺りの匂いを嗅ぎながらその部分の構造を想像して、
チンチンをギンギンにしていました。
「謝って済めへんわ!あのかっちゃんが泣いたんやで!」
「どうせえ、いうねん・・・」
「土下座や、土下座!」
女の子は、土下座が好き?
たしか、前にマサコにも土下座で許してもらったことがありましたっけ。
土下座は女の子の自尊心を満足させるのかも知れません。
(だいたい、坂本に謝るんなら分かるけど、なんで藤田に土下座やねん。)
僕は、イスから降りると、藤田の前で手を突いて、頭を下げました。
もちろん、小学生男子の正しい土下座の目的は、覗きです。
「ごめんなさい、許してください。」
首をひねって、上目遣いに藤田を見上げました。
しかし、藤田の長い脚の付け根は、体操服のブルマーで覆われていました。
「アンタの考えてるコトなんか、お見通しやわ!」
そう言って、挑発するようにスカートの裾をひらひらさせてブルマーを見せ
つけます。
もっとも、二週間の禁欲生活を続けていた僕にとっては、ブルマーの前の膨
らみだけでも、垂涎モノだったんですが・・・
「なんで、かっちゃんに酷いコトするん!」
「好きな子のパンツ、見たいんや!」
藤田が僕の言葉に眉をひそめます。
「パンツなんか見て、喜ぶなんて、おかしいんちゃう!?」
「ほな、中身が見たい!」
「けど、かっちゃんみたいに小さい子のんやなんて、ヘンタイやわ!」
実際にはスカートなんて捲ってないのに、ここまで責められるとホントに、
やったような気になります。
「トベくんのコト、好きな子にしたったらええやんか!」
「オレのコト好きって・・・小林のコトか!?」
「えっ?あぁ・・・こ、小林さんは・・・夜逃げしてもうおれへんやん!」
「夜逃げ?」
「そうや、お父さんの借金返されへんから、どっかに逃げたんやって、みん
な言うてるもん!」
普段は人の悪口など言わない藤田が、唇を震わせて言います。
「それ、小林のせいと違うやろ!」
僕は、藤田の言葉に腹が立ってきました。
「そんな、おらん子のコトなんか、どうでもいいやんか!」
「どうでもいい!?」
僕の頭の中で、プチッと音がするのを感じました。
「オマエにマサコの気持ちが分かるんかっ!」
僕の怒声に、藤田は一瞬ビクッとなりますが、負けずにムキになって声を荒
げます。
「他人の気持ちなんか分かるかぁっ! アンタかて私の気持ち、分からんや
ろっ!」
話の主題がずれてきていましたが、怒鳴りあってる僕たちは、そんなこと気
づきもしませんでした。
「オマエの気持ちなんか知るかよ!」
(こいつ、絶対、ボロボロに泣かしたる・・・)
「オマエにオレの気持ち教えたらぁ!」
僕は、土下座の状態から膝を突いた格好で、目の高さにある藤田のスカート
に抱きつき、オメコの位置に顔を埋めました。
激しい反撃を喰らう予想に反して、藤田は固まったように動きを止めました。
「トベくん・・・」
妙にしおらしい声で僕の頭に手を載せます。
僕は、彼女の香りをおもいっきり吸い込んで、力をみなぎらせました。
そして、お尻を抱えるように回していた両手をスカートの中に突っ込んで、
一気にブルマーとパンツを掴んで引き下ろしたのです。
「きゃっ!」
藤田の短い悲鳴が教室に響きます。
足首まで下ろされたブルマーに脚をとられ、オメコの辺りを顔で押し付ける
だけで、バランスを崩して藤田は教室の床に倒れ込みました。
その拍子に、掴んでいたブルマーを脚から抜き取ることに成功しましたが、
残念なことに、パンツは膝のところで引っかかっていました。
僕は、ブルマーを手にして立ち上がると、藤田を見下ろしました。
床に倒れた藤田の、さっきまでブルマーで守られていた場所には、はっとす
るほど、きれいなお尻がありました。
チラチラとワレメも覗きますが、スタイルのいいお姉さん体型の藤田のそこ
はまだ毛が生えてないだけで、大人の女を想像させます。
僕は、ゴクリと音を立てて唾を飲み込みました。
「なにすんねん!」
泣くどころか、睨み返す藤田に、ブルマーを鼻に近づけながら、からかうよ
うに言いました。
「あ~、くっさ~、えげつな~」
しかし、一日穿いていたブルマーの匂いが鼻口に届いた瞬間、僕は頭の中が
痺れるようでした。
パンツほどではないにしろ、複雑な女の子の甘い香りが入り混じって、堪ら
ずブルマーを鼻に押し当てて、息を吸い込んでいました。
「返せ!」
起き上がろうとする藤田の股間を指差して、動きを止めます。
「うわ~!オメコ見えてんで!」
藤田は、あわてて、しゃがんでスカートを押さえました。
僕は、手の中で、まだ温もりを保つ黒い布地に心臓の鼓動が早まります。
そのとき、廊下のほうから、人の話し声が聞こえてきました。
(先生に見つかったらヤバイ!)
そう思った僕は、藤田に、
「くっさいブルマー、返して欲しかったら、お前の穿いてるパンツと交換し
たらあ!」
と言って、ランドセルをつかんで、教室から飛び出しました。
「まてぇっ!トベッ!」
後ろから藤田の怒鳴り声が聞こえてきます。
途中、他の組の担任の先生とすれ違って、
「廊下を走るな!」と怒鳴られましたが、まるっきり無視して、廊下の端ま
で走り、階段を下りるフリをして、上に昇りました。
追いかけてくる藤田が、きっと僕が帰ろうとして階段を下りたと思うだろう
と予想して、階段を上がってやり過ごそうと考えたからです。
屋上階へ昇ると、屋上に出る扉の前の踊り場に、古い木製の児童用の机やイ
スが積まれていて、周りをブルーシートで包んだ上に、ロープで固定がして
ありました。
僕は、咄嗟にブルーシートの端を捲って、中に隠れる場所がないかを、確か
めました。
ラッキーなことに、積まれた机の一番下の段が、会議用の長机が置いてあっ
て、その会議机一つ分が人が入れるスペースになっていました。
僕は、その会議机の下に潜り込んで、一番奥に身を潜めました。
が、すぐに藤田が踊り場まで上がってきました。
どうやら、階下でうろついていた人に、男の子が降りてこなかったかを、聞
いたみたいでした。
藤田が、ブルーシートの端を捲って、あえなく僕は見つかってしまいました。
「トベ!隠れても無駄なんや!・・・足跡がついてんやで!」
踊り場に溜まった埃の上に、僕の足跡がくっきりとブルーシートの中に消え
るのが残っていたようです。
「出て来い!」
会議机の入り口で、藤田が睨みつけます。
僕は、あきらめ半分、開き直り半分で、思い切ってズボンとパンツを脱ぎ捨
てると、カッチカチに上を向いたチンチンを、ブルーシートに顔を突っ込ん
でいる藤田の目の前でプルプルと振って、それに戦利品のブルマーを巻きつ
け、腰を突き出しました。
「助けてくれ~!藤田のスケベブルマーに、チンチン食べられる~ぅ!」
「ボケッ!返せ!」
藤田は、悪戯されるブルマーを取り返そうと、会議机の下を僕のほうに、四
つん這いで突進してくると、ひったくるように手を伸ばしました。
でも、一瞬早く僕がブルマーを避難させたので、藤田が掴んだのは、僕の生
チンチンでした。
そのとき、藤田はハッキリと目にしたハズです。
僕のチンチンは、日々の「お勉強」の成果で、同級生の持ち物とは違って、
格好だけは立派な大人タイプになっていたんです。
「あっ!」
「わぁ!藤田にチンチン掴まれた!」
あわてて、手を離す藤田を、挑発し続けます。
「オマエの気持ちって、チンチン触りたかったんか!」
藤田が、唇を噛みしめます。
「もう、お婿に行かれへんようになった~!」
手にしたブルマーを振り回して、
「藤田にチンチン触られた記念に、このブルマー、貰っとくわ!」と、シャ
ツの胸ポケットにハンカチのように突っ込みました。
「トベェッ!」
藤田がブルマーを取り返そうと、仰向けになった僕にのしかかる格好で、馬
乗りになって座り込んだのは、ちょうど、カチカチになったチンチンの上で
した。
偶然にも、絶好のポジションとなって、薄い布一枚を介して、藤田の温もり
を感じることができました。
僕のチンチンはワレメにピッタリと沿うように挟み込まれていて、汗なのか
何なのか、ジットリするような感じが、敏感な先端に伝わってきます。
「あ」
状況が分かって、藤田はあわてて腰を離そうとしましたが、僕は、渾身の力
で藤田の腰にしがみつくと、チンチンをパンツのワレメに擦り付けながら、
先端が入り口のところに来るよう、位置の修正をしました。
最後に、マサコとシタのは、2週間前の月曜日です。
マサコとの約束『禁・センズリ』を守り続けている僕は、その間に2回、夢
の中でのオーバーフローを経験したものの(なぜか、夢のお相手は先生や、
マサコのお母さんだったりしたのですが・・・)、大量の『在庫品』を抱え
たままになっていました。
「ぐっ!」
逃げる余裕を与えることなく、藤田のパンツに、2週間分の『特別奉仕品』
を、撒き散らしました。
藤田は、僕の大量の放出を一番敏感な場所で感じて、身体をこわばらせます。
呼吸を整えながら、しがみついていた藤田から身体を離すと、騎乗位になっ
た藤田と僕の合わせ目には大量の精液が流れ、僕のシャツや上着にも、べっ
とりとした臭気を放つ液体がこびりついていました。
藤田は、はじめて体験する信じられない状況に、声も出せずに身体を震わせ
ていました。
驚きと、恐怖が入り混じったような表情で僕を見つめる目には、今にも溢れ
そうな涙を浮かべていました。
とりあえず、自分に付いた体液をハンカチで拭うと、パンツとズボンを穿い
て、藤田を促し、引きずるようにして、ブルーシートの外に出ました。
外に出た藤田は、突っ立ったまま、メソメソと泣き出してしまいました。
「ほら、パンツ脱いで、ブルマーに着替えろや・・・」
差し出したブルマーも受け取らず、泣き続ける藤田に、仕方なく僕は彼女の
前にしゃがんで、スカートを捲ると、汚れたパンツを脱がしました。
脚を上げさせて、パンツを抜くと、ハンカチでワレメや太腿に付いた精液を
拭って、それからブルマーを穿かせました。
不思議とその時は、二歳の妹のパンツを着替えさせるときのように、何もエッ
チな感情は浮かばず、なぜか前にもこんなことがあったような既視感を感じ
ていました。
ただ、藤田の下腹部は、とてもきれいで、それを汚してしまった罪悪感で、
胸がチクチクとしました。
そのあと、泣き止まない藤田の手を引いて、教室に戻ると、彼女を席に座ら
せて、汚れたパンツとハンカチを手洗い場できれいに洗いました。
藤田に、洗ったパンツを返すとき、あの巨大な藤田がやけに小さく感じて、
僕は、喉まで出かかった「ごめん」と言う言葉を飲み込んで、パンツを差し
出しました。
「オレ、謝れへんからな・・・」
藤田は、いっそう、声を大きくして泣いていました。
***************
「オレ、やっぱり謝るわ・・・ごめんな・・・」
笑い過ぎて眼に涙を浮かべた藤田が、首を横に振って僕の顔を見つめました。
「ねぇ、トベくん、いま全部入ってるの?」
「えっ?いや、先っちょだけやで。」
「全部入った方が、気持ちいい?」
「そうやな、先っちょだけより、何十倍も気持ちいいなぁ・・・」
藤田は、ほんの少し考えて、僕の頭を撫でました。
「なぁ、全部・・・いいよ・・・」
「えっ!?・・・いいんか?」
願ってもない申し出に、僕の声はうわずっていました。
「うん、なんか気持ちいいし・・・このまんま、もう、大人になっちゃおか
なぁって・・・」
藤田は、独り言をいうように会議机の天井を見ていました。
僕は、藤田のきれいな顔が僕のツンツンに合わせて小さく揺れるのを、彼女
の胸元から見上げるように、見つめました。
「なあ・・・処女、っていうの?・・・好きな人にとっとけよ・・・」
僕の言葉に、しばらく考えている風でしたが、息を一つ吐いて、僕の顔を見
下ろしました。
「そうやね・・・」
藤田は僕の顔を撫でながら、眼を瞑ります。
「トベくんにアゲルの、勿体ないね・・・」
「そうや、オレなんかに、勿体ないよ!」
僕は、溢れる潤いに包まれて、四分の一を繰り返し滑り込ませていきました。
「藤田・・・処女、もっと大人になって、好い人見つかったら、そいつにあ
げろな・・・セックスなんかしたからって急に大人になられへんって!」
僕が言っても、なんの説得力もないようなコトを、なぜか必死になって訴え
ていました。
「うん・・・」
藤田は小さく頷くと、それっきり黙ってしまいました。
会話がなくなると、藤田との結合部に気持ちが集中していき、まもなく頂点
を迎えようとしていました。
「ごめん、藤田・・・もう限界・・・」
「うん、いいよ・・・」
ガンガン打ち付けたくなる感情を抑えて、いままでと変わらぬ速さで挿送を
繰り返していましたが、最後の瞬間、僕は彼女の中から抜き出して、外に吐
き出そうとしました。
たとえ入り口付近でも、藤田の中で終わってはいけないような気がしたから
です。
でも、チンチンが抜けた瞬間、噴き出すまでの僅かな間に、藤田は「あっ!」
と、小さく叫び、僕の腰を咄嗟に押さえつけて、お尻を突き出すと、偶然に
も、ツルッと中へ戻ってしまい、おかげで、僕の奔流の全てを、藤田の中に
注ぎ込んでしまったのでした。
こんな心地よい射精感は、久しくなかったような気がします。
僕は、ふかふかの藤田のオッパイに頬擦りして、大きく息を吐きました。
微かに、藤田の鼓動が響いて、僕はマサコとの間で感じていた、心が繋がる
ような一体感を感じていました。
ひょっとして、僕たちは愛し合っているんじゃないかと、そんな気がして藤田
の顔を覗きました。
「藤田・・・あの・・・オレな・・・」
好きだというような言葉を言いかけて、藤田が僕の口を手で塞ぎました。
「あ~あ、トベくんなんかと、しちゃったぁ!・・・最悪やわぁ・・・」
その声は、みえみえの空元気で、僕の胸を締め付けるのでした。
藤田は、僕の口から手を離すと、自分の唇に人差し指を当てて、黙っている
ようにと合図をして、
「いいねん・・・ありがとう・・・」と、上をむきました。
僕はまた、柔らかな枕に顔を埋めて、甘い香りに包まれていました。
僕たちは、しばらくお互いの呼吸を合わせるように抱き合っていましたが、
階段の下の方がバタバタと騒がしくなってきて、身体を離しました。
「ドッジ組、帰ってきたんかなあ・・・」
僕は、藤田とのシルシを拭き取るのが勿体なくて、そのままパンツとズボン
を穿いてしまいました。
藤田は、溢れ出てくる僕の体液を恥ずかしそうにハンカチで押さえて、それ
をこっそり広げて見ていました。
「なに見てるんや?」
ちょっとからかうような言い方で、藤田を覗き込みます。
「えっ?あの・・・赤ちゃんのモト・・・」
「オマエ、赤ちゃんできるんか?」
僕は、ドキッとしながら聞きました。
「ううん、まだ・・・」
その返事に、少しホッとします。
「うちの組でも、もうできる子、おるんやろ?」
「う~ん、3,4人おるんかなあ・・・小阪さんとか・・・」
「へえ、小阪が・・・」
「あっ!私言ったんナイショな!」
藤田が、慌てて口止めします。
「わかってるよ。」
そう言いながらも、これから小阪を見る目が変わるだろうなと思います。
「赤ちゃんできるようになったら、私も大人の女やもんなぁ・・・」
パンツを穿きながら、藤田が遠くを見るように、ボソッと言いました。
(そうか・・・女の子は、はっきり大人になる時っていうのが来るんや・・・
僕は、センズリできるようになっても、遊び道具が増えたぐらいしか思って
へんかったのに・・・)
「なあ、トベくん・・・」
急に、藤田が明るい声で、話しかけてきました。
「なに?」
「もう、かっちゃんと別れたら?・・・」
「ええっ?・・・どうしたんや急に・・・」
いきなりのことに、次の言葉が出ません。
「トベくん、さっき言ってたやん、セックス・・・大人になってからでいいっ
て!」
そう言って、僕の顔を覗き込みます。
「かっちゃんとは、中学なってから恋人なろ!」
なんて返事をしたらいいのか、考えがまとまらない僕に、
「なっ、それまで、みんなで遊ぼ! 公園行ったり、ハイキングとか、夏は
プールとか・・・ボール遊びに刑泥に、またかくれんぼもしよ! なあっ!
絶対楽しいって!」
と、ホントに楽しそうに畳み掛けます。
「私と、かっちゃんと小阪と多田っちの4人で・・・男の子はトベくんだけ
でいいやん・・・やなやつなんか、もう仲間に入れへんし・・・」
藤田は仲良しの友達を、指を折って名前を挙げて、『やなやつ』の排除まで
言い出して、
「そうや!明日さっそくゴーカート乗りに行こ!私、みんな誘うから!ねぇ、
トベくん、一緒に遊ぼう・・・セックス、気持ちいいけど、楽しくないって、
みんな一緒が楽しいって・・・」
最後は、切なげな声になっていました。
「でも、坂本がなぁ・・・」
やっと声に出した僕の言葉に、
「ほな、なんで私にしたん?」
と、唇を震わせます。
「エッチなコトしたかっただけなん?」
藤田はそういって、唇を噛みました。
僕は、どう言っていいのか、しばらく藤田の目を見ながら考えましたが、正
直な今の気持ちを伝えようと、真剣な目で、口を開きました。
「オレ、オマエがオレのこと嫌いや思てたから、そやから、初めは・・・」
言いかけて、藤田が僕の言葉をさえぎるように、
「あほ、なに真剣になってるん・・・」
と、顔をそむけました。
「私、トベくんのこと大っ嫌いやねん!」
搾り出すように、そういって、脇においてあったタイツを穿いて、
「帰ろ・・・」
と、さびしそうに呟きました。
僕たちは、狭い机の下から這い出すと、もう一度服装を直して、黙ったまま
階段を降りました。
階段で、藤田は僕の小指を摘まむように、そっと手を繋ぎました。
三階まで降りると、藤田は立ち止まって繋いだ手にきゅっと力を入れました。
「私、お手洗い行って来るから・・・」
僕が頷くと、名残惜しそうに握った手をそっと離して、今にも泣きそうな顔
で僕を見つめると、震える唇で、
「あほ」と、小さく呟くと、階段を駆け降りていきました。
僕は、卑怯にも、藤田とキスがしたかった。
抱きしめたかった。
僕は、藤田の姿が見えなくなるまで見送って、やけに騒がしい教室に向かい
ました。
僕の藤田へのいい加減な態度が、坂本との関係に、大きな楔を打ち込むこと
になるなんて、その時は、思いもしませんでした。