会社の出張で、水道橋へ行った。
元々東北のせいか、東京の地が馴染まない。
与えられた部屋で、約2週間過ごした。
食事は外食、時折り居酒屋で飲んだ。
或る日、裏通りのタバコ屋に立ち寄った。
樫山文枝さん風のおばさんだった。
ぱっと見て、気持ちが和んだ。
オレの言葉遣いに、「東北の人?」と尋ねてきた。
「う、うん…。」
「ああ、そう…。懐かしいわあ。」
その人も生まれは東北だった。県は違ったが…。
普段は話さない事も吐き出す様に話した。
「悪いね、タバコ一箱で、こんなに喋っちゃって…。」
「とんでもない…。」
その後も、何回かそのタバコ屋を訪ねた。
「ちょっと、寄ってく?」
「えっ?」
どうやら、鍋物の用意をしているらしい。海鮮の良い匂い。
「だって、食事時でしょ?」
「どうせ、一人だし…。」
ニッコリ笑う顔には、既に幾つものシワが刻まれていた。
「本当にいいの?」
「さあ、あがって…。」
オレは、酒は苦手だった。
でも、その人は調子よく飲んでいる。
何か良いことでもあったのだろうか?
心地良く酔った様子だった。
そして、その人はオレの肩に凭れ掛かった。
「大丈夫ですか?」
「平気、平気…。」
何だか、オレ自身も酔っ払った気分だった。
「おばさん、おばさん…。」
眠ってしまったかのように静かになったおばさん。
すぐに部屋に戻る必要もなかったので、オレはその場で安らいでいた。
オレに寄りかかっていたおばさんは、やがてオレに抱きつくように…。
「おばさん、おばさん…大丈夫?」
「平気だって…。」
でも、声はすっかり酔っていた。
オレの熟女嗜好が姿を現してしまった…。
おばさんが抱きつくのをいい事に、オレは意識的に抱きしめた。
おばさんの着けていたエプロンを外して、セーターの中に手を入れて…。
小さな子供を抱くようにしながら、おばさんの唇にオレの唇を当てた。
静かなままのおばさん。
そして、内腿部分をゆっくりと擦る…。
しかし、おばさんの安らかな顔を見て、オレは我にかえった。
おばさんは、眠ったフリをしていたのか…。
「もっと、お飲みよ…。」
オレの行為には何も言わずに、妙な脈略だった。
「ごめん、酒弱くて…。」
「そんなんじゃ、女にモテないよ…。」
それから、数時間話してから、部屋に戻った。
寂しいかな、おばさんの事を想いながら、オナニーをしてしまった。
おばさんの唇、柔らかかったなあ…。