大学生の時に良い家庭教師のくちでもないか探していた時、友達の友達が短期の塾の講師を探している話を聞いた。
大学からは県を跨いで遠いが、私のアパートはその塾との中間辺りだったからこの話を引き受けました。
本格的な受験対策の塾ではなく、地元の土地持ちが家を空けとくのが勿体ないと始めた塾だそう。
生徒も小学生の高学年から中学生までで、全部合わせても二十人いないらしい。
ただ、バイト料は悪くなかったし、交通費に賄いまで付くという。
これなら私でも勤まりそうだと思ったのです。
面接は一軒家だった。
さらに別棟丸々一軒を塾として使用している。
面接をしたのは四十代くらいの女性で、生活感の感じられない人だった。
その人の母親と二人で暮らしているらしい。
穏やかなその母親が、大学生だからと趣味の料理を振る舞っているのだそう。
そのおばあさんからは嫌いな物だけ聞かれた。
あっさり採用率され、とりあえず慣れるのと生徒を覚えるので最初のうちは毎日のように顔をだして見学した。
こう言っては申し訳ないが優秀な子はほとんどいなかった。
逆を言えばこれならなんとかなるかと安心もしたが。
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