俺、現在48才、従姉妹で妻でもある優子は一つ年下の47才、俺のお袋と優子の亡き父親が兄妹の関係、年が近いせいか、子供の頃から優子とはウマが合った。
妻ではあるが、一緒には暮らしていない。
別居婚。
優子は千葉県K市在住、俺は福島県K市在住。
40を過ぎても独身だった俺、二度結婚も子供無し、×2の優子。
きっかけは、俺が兄貴のように慕っていた従兄弟、優子の兄の言葉だった。
『二度離婚して、フラフラしてる優子を、親父は亡くなる時、心配していた。幼い頃から仲の良かった拓也だったら任せられるのにな』
優子の父の三回忌の法要のとき、そんな話をされた。
田舎に住む高齢の両親に代わり、法要に出ていた俺。
法事の席で、なんか普通に俺の隣に座っている優子。
お酒も入っている。
俺は冗談だと思った。
優子も最初そう思ったらしい。
法要が終わり、俺は福島に帰る。
その数日後だった。
優子の兄から電話が。
『親父の意識がなくなる直前、拓也が優子の面倒、見てくれね~かな~、真一(優子の兄)、優子を頼む。そう言ってたんだよ』
優子の父、おじさんは俺を可愛がってくれた。
それは知っている。
優子は美人だし、そりゃ優子がそのつもりあるなら俺だって。
なんか集まりがあると、必ず俺の隣に優子は座るし、それが幼い頃からの自然な形で、意識もしていなかった。
優子もそうだったらしい。
俺は返事に困る。
『優子にその気がないでしょ?俺はよくても』
『そりゃそうだが。俺が優子の気持ち、確かめていいか?』
『いいよ』
それから何日かして、優子から電話。
『お兄ちゃんが変なお願いしてきたでしょ?法事んときのあの話』
『真面目な話で持ってきたよ』
『ごめんね~変な話、持ってきて』
『真ちゃん(優子兄)になんて言った?』
『×二つ付いた私なんか、申し訳なさすぎでしょって言った』
『そしたら?』
『いつまでも一人でってわけにいかんだろ?拓也もそれは同じ、ならくっつけよって!磁石じゃあるまいしってね』
『そのつもりないって言ったん?』
『いやいや!申し訳なさすぎだって』
『そうか』
『とにかくごめん!気にしないで?じゃ仕事に戻るから』
それで電話は終わる。
矢継ぎ早に優子兄から電話。
『今優子から電話きた』
『そうか』
『その気ないみたいだよ?』
『いや、ある!あいつ、×二つが申し訳ないだけ。拓也がそんなの関係ないと言えば、転がるよ、あいつ』