当時、私は大学4回生で研究のレポートに毎日追われていました。
レポートの作成や試験勉強には学校や下宿ではなく、近所にあった公民館を
利用しました。
誰でも利用できるし、静かだし、下宿にはないエアコンもあったからです。
普段は滅多に人が来ない公民館にでしたが、時折、地元の中学1年生の女の
子数人が中間・期末試験の勉強をしにやってきていました。
彼女たちはいつも勉強にはすぐ飽きて、ぺちゃくちゃと他愛もないおしゃべ
りをずっとしていました。
何かのきっかけで、私も彼女たちと会話を交わすようになり、そのおしゃべ
りに付き合わされるようになりました。
まあ、それなりに「彼女たちの友達」になったわけです。
夏のある日、その日も公民館でレポートを書いていると、
ひょっこり、例の少女たちの中のひとり「チエちゃん」がドアを開けて入っ
てきました。
チエちゃんは背が低く痩せた小さな女の子で、中学生にはまったく見えな
い、小学生のようなあどけない子でした。
とりわけてカワイイわけでも、不細工でもなく、おしゃれでもなく地味な感
じの女の子。
ショートカットにした髪がいつも寝グセなのかなんなのか、跳ねていまし
た。
「あ・・・こんにちは~・・・」
小さい声で一言だけ言うと、彼女は部屋のすみっこでノートをとりだして何
か絵を描き始めました。
私はとくに気にもせずレポートに集中していましたが、一、二時間も何もし
ゃべらず黙々と鉛筆を動かしているので、
さすがに気になって、
「何を描いているの?」と尋ねると、
「へへ・・・」
と笑ってノートを隠します。
「見せて、見せて」
と、何回もいうと、恥ずかしがりながらノートを見せてくれました。
そこには、いわゆる「アニメおたく」や「ゲームおたく」が好きそうな、何
かのキャラが描かれていましたが、
とても中学一年が描いたとは思えない、上手なものでした。
しかも、少しえっちぽくに描かれていて、そのまま18禁ゲームかなにかのパ
ッケージに使えそうなくらいです。
「うまいねえ」「すごいなあ」「きっと絵でお金を貰える様になる」
何回も褒めてあげると、チエちゃんは顔を真っ赤にして照れながら喜んでい
ました。
それからチエちゃんは毎日、公民館に来ては絵を描くようになりました。
夏休みなのでヒマなんだろうし、絵を描くのが本当に好きなのでしょう。
ただ、気になることはいつも少女漫画系の女の子が裸になった絵を描きま
す。
日増しにエロチックになっていくような感じでした。見た目はチョー「コド
モ」なのに・・・
「チエちゃん、エッチな絵が好きね。きっとエッチな人になるわ・・・」
私も優しく、ふざけるようにしてチエちゃんをからかいました。
するとチエちゃんは、顔を真っ赤にして笑っていました。
どうして、公民館に来て描くのかと聞くと、
こんな絵を家族に見られたら恥ずかしいから、みたいなことを言っていまし
た。
「チエちゃんは、えっちなことするの?」
ある日、なんとなく、絵を描いているチエちゃんに聞いてみたことがありま
す。
チエちゃんは、首を何回も横に振って「しない」といいました。
そのことがきっかけで、少し会話が恋愛やエッチな話題になりました。
話しているうちに彼女は、中1のくせにレディコミや大人向けの雑誌なんか
もたくさん読んでいるようで、
恋愛や性のことに関しての知識は、かなり「おませさん」でした。
もちろん、知識だけで実体験などはあるはずもなく、ただの頭デッカチです
が。
「抱きしめられると、とけそうにキモチイイのよ・・・」
「キスでイキそうになるんでしょ・・・?」
こんなことも、ポロポロと会話の中にでてきます。
でも、キモチイイとかイクとかはどんな感覚なのかは、当然、まだ知らない
ようです。
「好きな人に抱きしめられると、きっとすごくキモチイイよ、好きな人
は?」
「いない、いない。・・・う~ん、でーもー・・・」
「でも?」
「お兄ちゃん、けっこう好きかな・・・」
「そっか。じゃあ・・・抱きしめてあげよ」
こんな感じで、チエちゃんの体をなんとなく思いっきり抱きしめてしまいま
した。
チビで色気も何もないチエちゃんが、一瞬、オンナに見えたんです。
チエちゃんは、は~~~と大きなため息をついていました。小さくても女は
女だなと思いました。
ただ、体から発せられるフェロモンはなく、子供の汗のような匂いがしまし
た。
「きもちいい?」
と、聞くと、黙って首をかしげるような仕草をします。
「わかんない」
でも、そう言いながらも、私がチエちゃんの体を引き剥がそうとしても、
チエちゃんはそのまま、しがみつくように私の体にぺったりひっついて離れ
ません。
私は自然のなりゆきというか、自分の意思とは無関係にそのまま唇を合わせ
ました。
チエちゃんは無表情で恍惚とした表情をしていました・・・