ふつうなら、あの時に別れて、そのまま「いい思い出」になってしまうハズだった。でも、ただ誕生日が一緒だったってことだけで、特別…特殊な存在になってしまった。
もう何年もクサレ縁してる、そんな私とぽうせ君の話です。
ぽうせ君は、別の学校の部活の人だった。私が一方的にアプローチしてぽうせ君が引いてしまい、その時はフラれた。
高校の頃、母校の部活の手伝いでまたぽうせ君と再会し、付き合うことにした。当時ポケベル全盛期で、私はポケベルを、ぽうせ君はPHSを持っていた。
初めて二人で遊びに行ったとき、自転車の後ろに立ちのりして、私の胸をぽうせ君の頭にすりつけながら走ったことが忘れられない(笑)。
でも、ぽうせ君の友達に私のポケベル番号見られたらしく、イタズラベルが頻繁に来るようになって、それを私は番号を「売られた」と勘違いして、誤解したまま別れてしまった。
でも、ぽうせ君も私も、部活の手伝いには毎年顔出してた。正直、少しは期待もあった。それだけ私は彼が忘れられなかった。
あるとき、部活の手伝いの場で、じっくりぽうせ君と話す機会があった。それで、別れた時のことが全くの誤解だと解ったのだ。
ぽうせ君と私はその日久しぶりにキスした。
メールをやりとりし、お互いのことをだんだん解っていった。昔より、今になって解ったことの方が多い。
夜中に会っては体を重ねた。私は太っていたし、ぽうせ君は痩せていたけど、念願のぽうせ君を受け入れられた時の喜び。実に9年越しの思いが叶った。
でも、その当時私には彼氏がいた。ただ、その人にはついていけなくなっていて、キッカケが欲しかったのかもしれない。なんにせよ、ぽうせ君に溺れていた。
ところで、ある日ぽうせ君から「彼女が出来たからもうセックス出来ない」と言われた。バイト先の女の子で高校生。私は怒った。今から考えると彼氏の居る私に怒る権限はない。でも、がっかりした。そうして、しばらく連絡が途絶えて、その間に私は彼氏と別れた。でも、なんとなく、私はぽうせ君と付き合うことはもう無理だなと感じた。体だけでもいいや。彼の場合、その方がお互い優しくなれる気がする。もし付き合って結婚したとしても、幸せにはなれない気がした。
だから、お互い恋人が出来ても言わない。そして今も体を重ねる。なんだかこんな関係も、ぽうせ君を求めてしまうのも、同じ日に産まれた因縁みたいな気もする。悪く言えばクサレ縁、大袈裟に言えば運命。それでも私は「双子の星」のことを今日も考えずにはいられない。
乱文お目汚し失礼しました。