昔まだ若かった頃、ボロいアパートに住んでいた。
3階建てで私は一階一番奥の角部屋で、
割とゆるい大家だったので部屋の前に色々と部屋に入りきらない荷物を置いていた。
あまり覚えていないけれど、段ボールや要らなくなった漫画なんかが多かったと思う。
その頃はフリーターで昼間も家にいることが多かったのだけれど、たまに家の前で何か物音がするような気がしていた。角部屋だったので他の住人が通るようなこともない。近くに小さな山もあったし、何か動物だろうかと始めは思っていた。
夏の終わり頃だったろうか。
バイトから戻ってきた時、家の前の段ボールの上で何かが動いているのに気がついた。
近づいてみると、それは小さな女の子だった。
私の荷物に腰掛けて漫画を読んでいた。
そうか、これが物音の正体かと納得した時、
後ろに気配を感じた。
振り向いてみると、目の前には同じ顔をした女の子が立っていてそのまま私の横を通り過ぎて先ほどの子の横に腰掛けて、漫画を覗き込んだ。
双子か、と少し驚いたのと同時に、
私は自分の中でグラグラと感情が高まってくるのを感じた。
女の子はサラサラのロングヘアー、顔付きはおとなしそうな、優しそうな感じで、薄手のワンピースにサンダル。
腰掛けた膝から伸びるスベスベの足に、
自分のチンポに血が集まってくるのがはっきりとわかった。
「何してるの?」
私は考える前に話しかけていた。
特にアイデアがあったわけではなかった。
2人は私の方をふっと向いたが、
明らかに顔はこわばっていた。
(怒られると思ってるな)
私は直感して、すぐに
「そんなことしたら、お母さんに怒られちゃうよ?」
と続けた。
女の子は漫画をスッと段ボールの上に置いたが、
こちらの様子をうかがっている。
私は、
「お母さんに言わないから、こっちに来な」
と言って、部屋のドアを開けた。