ご都合主義の裏側

彼女の弟の話。

高校に進学した彼は、クラスメイトの女の子に一目惚れをしました。
あの子を彼女にしたいと強く思った彼ですが、女の子は既に中学時代の同級生と交際していることが発覚し、片思いのまま終わります。
失恋と同時、周りはカップルだらけになり、弟君は居心地の悪さを感じます。
そんなある日、彼は中学時代の同級生の男女と再会します。
カップルという光景。
しかも、二人は例の女の子の彼氏と同じ高校に通っていました。
何もかもが我慢が出来ない彼は、これまでのことを二人に話をしました。

しばらくして、二人から女の子を紹介するというメールをもらいました。
指定された場所にいると、一人の可愛い女の子がいました。
彼女は、弟君と同学年で、女子校に通い、関わりがある男性は父親と兄だけということくらいの男っ気のない女の子でした。
ちなみに、同級生カップルはこの子とどのように知り合ったのかについては曖昧な受け答えをしました。
女の子も何となく知り合ったようで事態をあまり飲み込めないようでした。

二人は、友人関係からスタートしましたが、やがて、恋人関係になります。

そして、運命の日。
彼女の両親が留守の日。兄が友人（彼女かもしれない）の家に泊まり行った日。
彼は、女の子の家に泊まりに行き、エッチをしました。
事が終わった後、家にあった家族写真を見て愕然とします。
何と、写真のあの片思いの女の子の彼氏（何度か、こっそりと顔を確認した。）が写っていました。
女の子の兄だったのです。
兄は、４月生まれ。妹は、３月生まれ。
兄妹ながら学年は一緒だったのです。

実は、これは同級生カップルが仕組んだ謀略。
決して、偶然ではなかったのです。
二人は、弟君から失恋の話を聞いた後、彼氏を調査し、同じ学年の可愛い妹がいることを知り、それを弟君の彼氏にしようと考えたのです。
理由は、ご都合主義の物語を現実に再現するということ。

ちなみに、その後のことは現在進行形で彼女も今はまだよくわからないそうです。