妻に先立たれて間もなく一年になる。
辛うじて仕事には行っているけど
工場の夜勤者だから人との接触も少なく、
休日も食材の買い出し程度。
引きこもりのような私の生活を
見るに見かねた友人達がお誘いをくれるが
全くそんな気分にはなれない。
天使のようだった女性と恋に落ち、
妻として生涯を共にすると誓ってから23年。
どんな時もそばで笑ってくれていた…
息子が産まれてからは妻として、母として、
私にとっては文字通り女神のような
かけがえのない女性だったのに…
もう二度と会えない。
私が死んだところで会える保証も無い。
心の中も家の中も、街の中にまで
彼女との記憶が溢れかえっているのに、
私のそばに彼女がいない事が辛すぎる。。。
タラレバを語っても無意味だけど、
昔に戻れるなら彼女が病に冒される前に
もっと気遣ってやれたかもしれない。
もっと早く私が気付いてれば
助けられたかもしれない…
そんな事ばかり考えてしまう。
自分がこんな女々しい
情けない男だとは思ってなかったし、
妻のいない世界が
こんなに暗く重いものだとも知らなかった。
これからどうすればいいんだろう…
こんな闇の世界を死ぬまで
耐え続けなきゃならないんだろうか…
もう一度、
もう一度だけでいいから妻に会いたい。
会って謝りたい事が山ほどある。
お礼を言いたい事も山ほどある。
来世でも妻に出会えるだろうか…