続きです。
11時頃目が覚めた。カーテンを閉めた薄明かりの中に麻紀が静かに座っていた。
麻紀「おはようございます。」
俺「おはよう。何時から起きてるの?」
麻紀「10時頃です。」
俺「寝れた?」
麻紀「初めは緊張して寝れなかったんですけど気付いたら寝てました(笑)」
初めて麻紀の笑顔を見た。可愛かった。
俺「お腹空いてる?」
麻紀「少し減ってますけど大丈夫です。」
また麻紀は遠慮した。
俺「俺がお腹空いてるから食べに行かない?」
麻紀が遠慮しないように聞いた。
麻紀「はい。行きたいです。」
俺「じゃあ顔を洗ってくるから待ってて。」
準備をして外に出たら雪は止んですっかり晴れていた。車で行こうと思っていたが、路面が凍結してる所がありスタッドレスタイヤをはいていても、怖かったので歩いて行ける喫茶店に二人で行った。食事を終え家に帰り麻紀とまた話し始めた。
俺「家族はいつ帰ってくるの?」
麻紀「仕事があるから日曜日の夕方です。」
俺「じゃあそれ迄には帰らないとね。」
俺は麻紀を帰らしたかったからはっきりと言った。
麻紀「……帰りたくないです。」
俺「俺も月曜から仕事だから無理だよ」
麻紀「……」
泣きそうな顔をしてうつむいている。
俺「親はなんだかんだ言って心配してるから帰らないといかんよ」
続けて言った。
麻紀「……私修さんに何されてもいいのでしばらく泊めてもらいたいです。」
麻紀は意地でも帰りたくないらしい。
俺「中学生なんか相手にできないよ。」
麻紀「……お願いします。帰りたくないです。」
俺「日曜日の夕方までならいいよ。それ以上は絶対無理だよ。」
俺ははっきり断った。
麻紀「わかりました。」
話しはこれで終わり、夜までテレビやDVDを見て時間を潰した。この夜麻紀と俺の忘れられない夜になった。