この季節になると思い出すことがある。奈美花のことを書いたのもそれが
原因なのかもしれない。
奈美花ぐらいの年のころ、俺は図書館で高校生のお姉さんに誘われ部屋に
連れて行かれた。
女の子の事が気になりだす年齢だったし、本ばかり読んでいたので話の通
じる同年代の友達もいなかったというのもある。
何の話だったのかはもう忘れたがしばらく話しているうち、
女の子のカッコしてみよっか。
今思うと馬鹿みたいだが熱病にうなされたかのように素直に従った。喜ん
でくれるのが嬉しかったのかもしれない。確かにその時のお姉さんの嬉し
がりようったら大変なものだった。
幾つか着替え、特にひらひらの女の子な服に着替えた時、
あれ?女の子なのにこんなものが付いていますよ?
スカートの中に突っ込んだ手が俺を掴んだ。その時は何のことか分からな
かったが、それが気持ちのいいことであることは分かった。
しばらく弄られ、そしてお姉さんは頬張りはじめた。女の子なのにこんな、
女の子なのにこんな、と言葉で責められ、自分はこの感覚に酔い始めたそ
の時、
女の子なのになんであんたにはこんなものがついているのよ!
突然殴られ訳もわからないでいると、痛かった?と優しく頬を舐め上げて
くれた。かわいい口、とキス、かわいい目、と舐め、かわいい耳、と優し
く噛んだ。今思うといっそその時噛み切られていた方がまだ良かったと思
える。
子供ながらも肉欲の虜になっていたし初めてのことで何がなんだかわから
なくなっていた俺は、ぼーっとしたままその後の時を過ごし、どうやって
帰ったのかも分からなかった。
ただその後、何故かお姉さんとの関係は続いていた。俺は女の子というこ
となので処女の部分も奪われた。お姉さんは執拗に広げることに夢中になっ
ていたようにも思う。
エスカレートしていった終盤、お姉さんは自分の体に傷をつけてそれを舐
めさせたり、針金を自分の体に巻きつけペンチでねじり、締め付けたりす
る行為を繰り返し、自分の女性の部分を拒むようにピアスと糸で縫い合わ
せ綴じてしまってもいた。
今思うと男女の関係は全くなかった。
ある日からぷっつりと図書館にも姿を現さなくなったお姉さんに、その経
験も単なる普通の日常として忘れかけていた頃、近所の噂でお姉さんが自
殺したことを知った。葬式もせずに隠すように焼かれて墓に入れられたら
しい。
こんな雪の日、雪が全てを覆うようにお姉さんは消えてしまったが、最後
に俺の心に抜けない楔を打ち、お姉さんはまだ生きて俺を責めつづけてい
る。