リリカが通う然る京都市立の小学校は、八十年近い昔から自由服で通学出来る我が国の先進都市で、雷門や浅草寺、スカイツリーでさえ世界遺産候補にも為り得無いヘドロにまみれた糞イモ東京とは別格な世界中の社交界のセレブリティや欧米の王侯貴族が唯一憧れる事実上の日本の顔で在るのは論を俟(ま)た無いが、首都が正統派の首都京都に戻された途端、愚かにも知恵遅れな旧都民もろとも東京湾の底に沈没した元23区内出身のリリカは、11歳の誕生日を迎えた許りの小学五年生。そんなようやく産毛の親玉の如き恥毛が 恥丘の上にだけ生え始めたうぶな少女では在るが、陥落し果て、京都人から一斉に後ろ指を指された芋江戸から、日本で唯一、累代の皇室の別荘が在る地たる転校先の京都市立修学院小学校に移ってまも無く出来たセフレでも在る進学塾の講師峻一(しゅんいち)との秘密のまぐわいを、日曜日の今日も、心密かに期待し乍ら進学塾の補習授業を受けて居た。 取り分け有名大学を秀抜な成績で以て卒業した、まだ二十代中盤の彼のペニスに因って貫かれる得も云われぬ快感の虜に、早くも為って居たのだから将来が按じられて仕方ない。 だからこそ当の峻一も、リリカとの媾合(こうごう/オメコ)が疎かに為らぬよう、大切に務める可く意を用いるので在った。