中学生になり、すぐに気になる女子が出来た。
生駒小、中町小、城山小、の三校を卒業して集まるのが第一中学校。通称:一中(イッチュウ)
気になる女子、若狭妙子は中町小の出身だ。見た目はイタくは無いが、不思議少女系。オカッパ頭に切れ長の一重目蓋。
何故気になったかと言うと、春の体育祭の練習で全生徒が校庭に集まっていた時のこと。
突然の土砂降りになり、練習中止。生徒は急いで校舎に戻る。
教室に戻り皆がザワザワしてる最中、他の女子が濡れた体操着の処置に駒根いて(男子の居る手前、そう易々と着替えられない)いる中、若狭妙子だけが、おもむろに体操着を脱ぎ、シミーズ・ブルマ姿に。
男子からは『おおーっ!!』と、どよめきが。
シミーズも雨が染み込み乳首が透けて丸見え。
『ヒュー、ヒュー、』
冷やかす男子
『あ、ちょっと!ワカコ!何でこんな所で!?』
同小出身の女子が慌てて若狭妙子に歩み寄る。
当の若狭妙子は平然としている。
『だって、濡れてるから仕方ないじゃない』
そんなやり取りをしながらシミーズの袖口に腕をクネクネしながら内側に入れ、机の上に置いてあるシャツに手を伸ばした。
一応、そこには恥じらいがあるのか、上手に肌(特に乳首)の露出をせずに着替えようとしていた。
私を初め、男子全員が着脱の隙間に乳首を見ようと考えていただろう。
『男子ーっ!!、見るなーぁ!!』
最初に庇っていた同小の女子が振り返り叫んだ。
何人かは、顔を背けたり、背を向けたが、私を含む数人男子はニヤニヤしたまま若狭妙子を見ていた。
『あんたらスケベだね、軽蔑だわ!』怒る女子
『えぇがな、本人が勝手に着替え始めたけん』
そんなやり取り何処吹く風、若狭妙子は黙々と着替えを続けている。
その時、他の男子は知らないが、私の角度から若狭妙子の乳首がチラッと一瞬見えた。
『ヒューッ!』
思わず私は1人興奮して声を上げた。
『何?何何?お前、見えたの?』
他の男子が聞いて来た。その時、若狭妙子と私の目が合った。さすがに私も気まずいと感じ、調子にのるのを私はやめた。
『最低……男子、最低~…』
何故か私1人が女子全員に睨まれ終わった。
そんなエピソードがあり、私は若狭妙子を少し意識し始めた。