まだ ネットもテレクラも無い時代。
アダルトな雑誌とかでは私書箱の出会い系的なモノも有ったかも知れませんが、小5の私が当時知る余地も無し。
兎に角 性に目覚めた健全エロ男子の私は、何か出せる場面に行きたい・見たい・出したい!とムラムラしていました。
今、思えば馬鹿だったんですが、地元新聞の付録誌の不用品売買コーナーに こんな記事を投稿しました。
『見られたい俺・第1巻を売ります』(実際は三行に収まらないのでタイトルと異なりますが)
一か八かのわかる人だけへのメッセージでした。連絡先は自宅電話番号……………
今じゃ考えられない無謀な売りでした。
そんなアホなチャレンジをしたことさえ忘れた ある日、一本の電話が掛かって来ました。
緊張と、ノープランで私の声は上ずっていました。
『あの、あのタイトルって本の名前ですか?』
『は、はひぃ、そうです!』
『何の本ですか?』
『あの、あれ、あ、ん~、うっと、ですから………』
『……………大人の……エッチな本?』
ヤバい、どうしよう、何も浮かばない。
沈黙を破ったのは、相手の女の子でした。
『興味はあるんですけど、見てから買うか決めるでいいですか?』
『………あ、………えっと』
『ダメですか?……どうします?』
『……………は、はい、それでお願いします』
互いの名前の確認と、待ち合わせ日・場所を決めて電話を切った。