高卒で働き始めた頃の話を一つ。
就職に当たって借りた家のある地域は車が無いと日常生活にソコソコ苦労する土地でした。
買い物や最寄り駅まではバスがあるにはあったのでくご2時間に1本くらいしか通っておらず、11~15時台は便が無いなんていう本格的な田舎。
その子の家は共働きで、自家用車を持っていない家庭でした。
父親は朝の6時前には家を出、母親も8時前のバスで駅前のスーパーへパートへ出ている。S5とS3の2人姉妹が21時過ぎのバスで母親が帰ってくるまで留守番をしている様な家庭でした。
21時過ぎのバスで母親が帰って来れないくらいに残業が長引くことが月に1~2回あり、その時は旦那とほぼ24時に近い時間に着く終バスで帰ってくる・・・まだ小学校の姉妹には寂しいだけでなく、不安な時間だったのでしょう。
留守番をしているはずですが家の中で過ごすには不安すぎて時々外をフラついているのが増えていました。
と言っても近くに夜遅くまでやっている店がある訳でもなく、ただ家の中に居るのが苦痛で出てきてしまったという感じ。
そんな姉妹と知り合ったのは妹の方が私の車内にあったゲームソフトに興味を持ったからでした。
社会人となって自分で稼ぐことが出来たため趣味にそれなりに散財できるようになり、月に2~3本は新しいゲームを買って遊んでいましたが、遊び飽きたり予想外につまらなかったゲームはまとめて売りに行くことがあり、そのために車に積んでいたものでした。
ザッと10本くらいはあったゲームソフトに車の窓越しに視線を送ってた妹に声をかけました。
私:どうかしたの?
妹:あ、・・・いえ、その・・・。
私:ゲーム?
妹:・・・。
私:ゲームやるなら貸してあげるよ?
・・・そんなキッカケでした。
残念なことに私の持っていたゲームはS社の据え置き機の物で姉妹がもっていたハードでは遊べないものでした。
流石にハードまでは貸せないので私が在宅している時間なら遊びに来てゲームをしても構わないと伝えると妹は大喜びで私の予定などを確認してその日は別れました。