今年の春休みのことです。
妹が小2の時から仲良くしている同級の一美が春休みに家にお泊まりに来た。2年生から不定期に続くイベントで5年生の昨年もまた何度か泊まりに来ていた。そして今年、3月、春休みのシメに一美が来た。
『おじゃましてまーす。』
『よう、泊まるの?今日、』
『うん』
『お兄ちゃんはアッチ行ってて!、もう・・』
妹に邪険にされて私はリビングを退散、2階の自室に入った。
妹もお年頃だ。風呂・トイレなど最近は気を使う。その日も、家族と一美の5人で晩飯を食べたら、私はそそくさと2階に戻る。
『あつし~!、先にお風呂入って~!』1階の階段から母の声
『・・・ハイハイ、』部屋を出て階段を降り浴室のある脱衣室へ。
『んっ、ほひいはん、(あ、お兄さん)』歯ブラシを咥えたまま喋る一美が洗面台の前で立っていた。
食後の歯磨きを今してるのか。
『あ・・いい? 風呂入るけど』
『ん~!今?、ちょっと待ってて!』
急いでコップの水を口に含みクチュクチュ、濯ぐ一美。逃げる様に急ぐ、では無く、自然な振る舞い。実の妹以上に本物の妹みたいだ。我が家に馴染んでいる。
『はい、ごめんね、』
『一緒に入る?』冗談を言ってみる。
『お断りします』微笑みウインクをする一美
かわいい・・・実の妹よりかわいい。
風呂を出て部屋に戻る。隣の部屋で妹達が騒いでいる。壁が薄いので、耳をすませば会話の内容がダダ漏れだ。
『こらーっ、あんた達もお風呂入って~!』
1階から母の声。
『は~い!、行くよ~!』
バタバタ、と廊下、階段を降りる足音。私はスマホをいじりながら寝落ちした。
暗い部屋でフッと目覚めると私の上に誰か乗っかっている。驚きはあったが恐怖心は無かった。乗っかっている重みはそれほど無く、目がなれた頃には言葉よりも先に両腕が動いていた。
妹か?とも思ったが、生まれてこの方、妹が私の上に、しかも寝込みに布団に来たことがない。
『一美?』
『・・あ、起きた?・・うん、』