アレコレ言われるのは承知の上での投稿。もう20年以上前の事… 中2の冬休み明けに転校してきたのが薫だった。細くて色白でショートカットの髪、いかにも「女の子らしい女の子」…ただ違和感があるのは学ラン姿な事。一声も発せず着いた席はオレの後ろ。HRが終わると周りから「オカマ?」「だよね…」「気持ち悪い」の声が挙がった。怯えながら周りを見た薫は泣きそうになっていた。「お前オカマだろ!」蔑む問いに「!!…私…女の子…」薫が搾り出すような声で答えた。「うわ!やっぱオカマだ!」嫌悪の視線と言葉を浴びて泣き出す薫。オレは思わず薫を連れ出した。誰も来ない場所で話してみると体は男子だが心は完全に女子だった。「体が男の子だから…」泣きながら話す薫。「でも女子なんだろ?」「!?」「いや、だからお前女子なんだよな?それで良いだろ。」本気でオレはそう思った。ただ現実はそう簡単には行かなかった。教室に戻ると心無い声が飛び、その日の内に薫はイジメのターゲットになった。教師連中は本人の気持ちなど考えようともせず男子扱い。一週間ちょっとして薫は不登校になった。話し相手になってたオレは薫が心配になり、家に行ってみた。「!!」オレが来た事に驚く薫。以上に…オレは薫の姿に驚いた。女子の服装な薫はどう見ても女の子。そこに違和感など全く無い。「スッ…ゲぇ、カワイイなお前…」「え!?…」この時オレはある事を思い付いた。「女子の制服着て学校来いよ」「!!…」「お前女子なんだからさ…」言ってはみたがこれまた簡単な事じゃなかった。体は男なんだから女子の制服は買えない。どうにかしてやりたい。考えて思い付いたのは…「先輩の制服欲しいんだけど…」「!?…良いけど…何で?」親しかった1つ上の先輩から卒業後に譲ってもらう事だった。「!!…ありがとう…でも…」「オレが無理矢理にでも納得させてやるからそれ着て学校来いって」3年の1学期、薫は女子制服で登校した。担任は驚いたが薫の懇願もあって学校側を説得して容認してくれた。「え?え!?」「!?…!!!」薫の制服姿に騒然としたクラス内の光景は笑える程だった。間違い無くクラスで1番女の子らしいのは薫だった。そして…オレは薫が進学の為東京に引越するまで付き合い、関係を重ねた。