どのカテゴリに書こうか迷いましたが、ここが一番ちかいので、ここにはりました。
今から6年~7年くらい前の話になります。当時私は関東地方にある、東京ではないある場所でひとり暮らしをしていました。その時していた仕事は眼科の診療助手というアルバイトでした。名前こそは立派な医療系、実際は週4日、時給850円くらいで眼科にくる人の受付をするだけ。という仕事だったのです。
この仕事では生活をしていく事だけが精一杯で、自分には海外留学とかの夢がありましたが、ですが他に自分に投資したり、何か資格をとったり、ほしいものを買ったり、という事まで手を伸ばすのは到底無理なお話でした。
そこで私は転職を考え、駅にある無料の求人雑誌を手にとって家に帰ったのです。そしてペラペラとページをめくっていると、こんな求人があったのです。「外資系企業100%出資 英会話スクールの運営スタッフ(英語力不要) 給与:完全歩合制 1契約80000~」 正直、お恥ずかしい話ながら、当時の私の職歴といっても、3流の短大を卒業してすぐに眼科でのアルバイトをした事もあって、社会的に必要な最低限の知識というのがまったくといっていいほど無かったのです。完全歩合制というのがどういう意味なのか、まったくわからずじまいで応募したのでした。(とりあえず80000~というのに目がいってました)
応募している会社の場所は新宿でした。電話で面接の応募をし、約束の日時に実際に言ってみると、さすが新宿のビルというだけあって、すごい景色でした。(合格したら私はこんな場所で仕事するのか~)と、もう受かったつもりでいたのです。そしてエレベータで高層階まで上がり、右にまがると、まさに今でいうグーグル社のような雰囲気で、ガラス張りの入り口に訪問者用の電話機があるテーブルがあり、後ろには大きな会社のロゴの看板が貼ってました。
そして面接担当となったのは、ショーンというアメリカ人の人でした。まるで映画俳優のニコラス・ケイジのような感じの人で、日本語もとても流暢でした。そしてその会社の中はやはり英語教室になっており、シルバーコースや、ジュニアコースでもあるのでしょうか、高齢の方や子供がそれぞれ6~7人くらいのグループになって外国人講師と英語のレッスンをしていたのです。
そして私は面接する為の部屋に行き、面接を受けました。そして会社の部長であるショーンが言ったことをまとめると、以下のとおりです。
一、当社はあなたたちに○○社の英語の学習商材を貸し、自分でビジネスの展開を広げてもらう
一、電話営業以外のビジネス展開はあなたたちのアイデアに依存するが、会社はその責任を取らない
一、1契約に対し、○%のインセンティブをつける。
一、基本はテレマーケティング(電話営業を主体とする)
他にも何時から何時までとか、細かいことを言えばたくさんありますが、この会社はこういう営業スタイルなのでした。要点だけまとめると、電話を使って英会話教室にある学習キット(レッスンチケットやオプション含む)をうりなさい。30万円の商品と60万円の商品があります。30万円の商品を売ったら、8万円あなたにあげます。60万円の商品を売ったら16万円あげます。しかし売れなければ給料はありません。電話での販売以外にも、売り方はそれぞれ自由ですが、もしトラブルになったり法律違反をしても会社は責任を持ちません。それぞれ良識ある範囲内で販売営業をしてください。
ということです。そしてショーンがいうには今思えば耳ざわりの言いことばかりを言ってました。「この会社環境で仕事をすると、英語にいやでも触れるので、気がついたら英語を話せるようになる」とか、「ないところから、利益を生み出すための訓練になる。この会社を辞めた人はみな、自分で会社を興している人がおおい」などなどでした。
私は当時、本当に「馬鹿」だったので、新宿の高層ビルで、外資系の会社で働けてまるでエリートキャリアウーマンみたいな感じ♪という具合に、外見の格好良さだけを見て喜んでいました。そして翌週の月曜日に実際に初出勤の日がやってきたのです。