50代 高校教師
出世ラインからはずれ
あのころの情熱もないわけじゃないが、体がついていかない・・
そんなころだった。
3年C組 聡美
ときどき 同じ電車に乗る。
何となくいやなので車両はいつも変えている。
今時の子にはめずらしい清楚な感じではあったが、
暗いとうつるらしく
人間関係的には生徒指導上問題のある子だった。休みがちな子だったが、
進学対策の私の放課後のゼミには出ていた。
おしゃべりの絶えないクラスだったが、彼女はいつも一人だった。
梅雨時の暑い日だった。その日は、年休を取って、調べたい文献を探しにぷらぷらする予定
だった。
が、いつもの癖から、いつもの電車に乗った。いつになく混んだ電車の中で
2メートルぐらい離れたところに聡美を見つけた。
相変わらずうつむき加減だが、今日は様子がおかしい。
体をずらし、ちかより、様子をうかがうと
痴漢されていた。
男性数人に囲まれ、制服のスカートのジッパーがやや下げられ、手が差し込まれているのが
わかった。
聡美はもうすでに泣き出しそうな表情だった。
教え子が痴漢されている。あの聡美が。動揺した。
が同時に欲情している自分自身に気がついた。
妄想が広がった。痴漢の手の動きこそ見えなかったが、
聡美の苦悩の表情はこちらからもわかった。
やがて、電車は駅に入り、人並みに彼女も見えなくなったが、
聡美は駅のベンチで中年女性に懐抱してもらっていた。
泣きじゃくる彼女の制服のスカートと太股には、男性の精液がこびりついていた。
「この子の学校のものです。」そう告げて礼を言い
彼女の肩を抱き、その場を立ち去った。女性は駅員を呼ぼうとしていたので、
「彼女が落ち着いてから、学校として対処します」と制止した。
しばらく歩くと「もう大丈夫です」と気丈みにもいった。
今日は休んだ方がいい・・
聡美と私の秘密になった・・・
それから聡美は私にとって特別の存在になった