自分も卒業した小学校の体育館で、週一回ヨガ教室があった。
夜に体育館を開放してママさんバレーとか卓球とか色々な活動があった。
主婦だから時間厳守って訳にいかないからか、七時から九時までとか、そんな感じで緩くやっているようでした。
高校が別になった友達のお母さんがヨガ教室に参加していたから、付き添いでくる友達と体育館の隅でおしゃべりしに私も行ったりした。
私の家は学校のわりと近くだったから。
そこに友達の友達以上恋人未満の男子も加わるようになった。
いかにもわんぱくな男子じゃない、おとなしい感じだったから、女子三人集まる感覚で自然と打ち解けていた。
丘の上にある学校だったから、周囲も静かだし、よく怪談話をするようになり、校舎裏を探検したりして、三人揃うとけっこう楽しかった。
友達以上恋人未満という微妙な関係性は、友達(瑠奈ちゃん)の一種の親へのカモフラージュみたいなもので、二人はとっくに肉体関係で結ばれていた。
もっとも、瑠奈ちゃんのお母さんは交際に反対するような頭の堅そうな人じゃなかったから、照れもあったかもしれない。
ただ、私は瑠奈ちゃんに黙ってたことがあった。
一度イオンの中にあるファーストフードの店内に一緒にいる瑠奈ちゃんのお母さんと彼を見たことがあったのだ。
その時に窓際に座り彼の口元についたケチャップ(想像)を指で拭いとり、それを自分の口で舐めるお母さんを見て少し親密すぎないかと思った。
しかも、偶然会ってお茶したというより、示し合わせたかのようにお母さんの運転する車で家とは反対方向に走っていったのも信号待ちしていて偶然見る羽目になった。
決定的ではないが、ちょっと想像力を逞しくしたくなる感じはあった。
だから、瑠奈ちゃんに彼を紹介された時は頭が混乱した。
仮説なら色々と考えられたが、どれも答えだとは確信できなかった。
だから、だいぶ親しくなった頃に思いきって切り出したのだ。
いつも帰りは瑠奈ちゃんは車で帰る。
彼は自転車だったから、ついでにうちまで送ってくれるようになった。
車に乗せてもらうには近すぎたから自然とそうなったのだが、ある時ちょっとカマをかけて尋ねてみたのだ。
そしたら、ちょっと彼が早とちりして勘違いをした。
その勘違いから思わぬ話を聞かされる顛末になるのだ。
要するに、私が瑠奈ちゃんのお母さんと一緒にいるとこ見たよって不意に告げたものだから、ファーストフードじゃなくて別の場面だと思って慌ててしまったらしいのだ。
それでただならぬ間柄なのがわかってしまったという訳。
自分のミスに気づき必死で取り繕うも後の祭りでした。
土下座せんばかりの勢いで瑠奈ちゃんへの口止めを頼まれた私は咄嗟に交換条件を出した。
全部包み隠さず打ち明けるならと…
私たちは翌日、同じ時間帯に小学校で待ち合わせをした。
その晩はさすがに興奮してなかなか寝つかれなかった…
彼氏未満とはいえ友達の相手がよりによってお母さんともセックスしちゃってるんだから。
(彼がした勘違いは、瑠奈ちゃんの留守中にお母さんとセックスしてたのを見られたと思ったらしい…私がさすがに鍵は開けられないと言ったら、だいたい昼間は鍵を掛けてない時もあるからと言っていた…確かに瑠奈ちゃんの家は門から玄関まで多少距離もあるからそこまで律儀にはしてないかも)