高校3年生の春。初めて彼女ができて、まだキスもしていない頃。
地元のテレビ局で、「学校訪問」のような15分くらいの企画があって、校長の話や校舎案内に続いて、部活動の様子も紹介されるらしかった。陸上部のキャプテンだった彼女も、30秒くらい映るとのことであった。
屈託のない彼女は、クラスのみんなに、「私もテレビに出るから見てね」と笑顔をふりまいていたが、実際に見てみると、ちょっと恥ずかしい映像だった。
まず、ユニフォーム姿の彼女を後ろから撮っているのだが、うっすらブラが透けていた。よく目を凝らさないと分からない程度だが、肩ひもやホックのラインがかすかに浮いていた。
次に、笑顔で練習について話した後、クラウチングスタートからダッシュするのだが、この時、胸元からブラと乳房が覗いていた。もちろん、ほんの一瞬で、乳首が見えたりはしなかったが、女子高生の彼女にとってはかなり恥ずかしい映像だったと思う。
テレビ局が修正しなかったのか不思議ではあった。
意識しないで見れば、見過ごしてしまう程度なのかもしれないが、彼女はクラスのみんなに宣伝していたから、クラスのほぼ全員が。
放送後に、彼女から電話がかかってきて、「今、私の胸とか見えてたよね。見えちゃったよね。どうしよう…私恥ずかしい。学校行けない」
「そんなの大丈夫だよ。誰も気付かないよ」
「そんなことない。きっとみんな気が付いたよ。恥ずかしいよ」
ビデオに録画しておいたので、改めて見てみたが、やはり映っていた。何度も見ていると、薄いピンクのブラだということも分かった。
彼女は翌日学校を休んでしまった。案の定、クラスの男子はその話題で盛り上がった。彼女と付き合い始めていたことは誰も知らないので、容赦なく卑猥な言葉が飛び交った。
「あいつ、胸ねえな」「ピンクだったよな」「俺、ビデオに撮って何度も見たよ。何度も抜いちまった」「やりてえな」など。
一体、何人もの男が彼女をオカズにしたのだろう。クラスの男子全員かもしれない。テレビを見た一般視聴者もオカズにしたかもしれない。彼女が陵辱される妄想ばかりが頭をよぎった。
次の日に彼女は登校してきた。男子も女子もそのことには触れない暗黙の了解のような雰囲気があり、1週間もすると、皆忘れてしまったが、彼女の性格はちょっと暗くなった気がする。
でも、これがきっかけで、彼女とはすぐに一線を越え、大学を卒業するまでずっと付き合っていた。優等生を絵に描いたような彼女だったが、セックスは結構激しかった。いつも心のどこかに引っかかっていた気もする。
別れる少し前、このことを覚えているかと尋ねたら、「1日も忘れたことない。恥ずかしくて死にそうだった」と苦笑する。「みんなに見られて、興奮したんじゃないの?」と聞くと、真剣に怒られた。
それから2ヶ月後くらいに、価値観の違いで別れた。
今は、私は普通のサラリーマン、彼女はとても有名なタレントさんです。