夏休みの合宿のこと、合宿所は校庭の隅にある。俺は3年で引退したけど、
後輩の指導のために泊まった。暑いのと、久しぶりのクラブだったから
疲れもあって熱が出たので夜中の2時頃、薬貰いに、校舎内の保健室へ
向かった。先生が寝てるはずだ。校舎内への入り方は部長だったから
秘かに教えてもらっていた。が、開いていた。玄関に女物の靴があった。
へんだなと思いながら保健室の前までいくと、暗闇のなかから声がした。
「どうしても?」「推薦してやるから」女は久美、女子部長で俺と同じ
ように後輩の指導に来ていた。美人で成績もよい。後輩の憧れのまとだ。
1年のとき俺とつきあっていたが、夏休みに家に呼んでキスしてから
やろうとすると怒って帰って行った。それ以来、普通の部員同志のつきあい
だった。男は先生だ。24歳独身。大学時代から全日本のプレーヤーで、
将来を期待されていたのだが、腰を傷めて教員の道を選んだようだ。
女子生徒に抜群の人気がある。大学時代の彼女がいるはずだが・・。
「可愛いよ、久美」「恥ずかしい」服を脱がしたらしい。しばらく
ぴちゃぴちゃとなめる感じの音がして、久美のあっ、あっていう
あえぎ声が時々聞こえた。「いくよ」「こわい」「大丈夫、もっと足開いて」
「ね、やっぱりこわい」「やさしくするから」「・・・」「いくよ」
いよいよだ。どうしよう。久美がやられちゃう。飛び込もうと思ったが
声もでない。すると、「うっ」久美のうめき声がした。「はいったよ」
やられた。俺のもとカノの久美がやられた。「あっ」「とてもいいよ、久美」「せ、せんせ」「いくよ、我慢しろよ」、しばらく先生の腰を動かす感じの
音と「いいぞ」「いいぞ」の声と久美の「あっ」「あっ」という痛みを
こらえた悲鳴が続いた。と、玄関のほうで、「先生、みきちゃんが熱出して、
先生おきて」2年生マネージャーの梨花だ。一瞬、保健室のなかの動きが
止まった。「もう少しだったのに」先生が久美から抜いて降りたらしい。
「このまま待ってろ、すぐ戻ってくるからな」、保健室の灯りがついた。
先生は薬箱を持って、ジャージ姿で玄関に向かった。俺は物陰に隠れていたが
思いきって保健室のドアを開けた。「先生?」俺は黙ってベッドルームの
カーテンを開けた。「きゃっ」毛布であわてて胸を隠す久美、「ばかやろう」
俺は久美をひっぱたいた。毛布がはずれて久美の上半身が見えた。あわてて
毛布をつかむ久美。一瞬だが尻の下のシーツには赤い血が見えた。「なに
やってんだ」「ごめん」「ごめんじゃねえよ、体で推薦とろうってのか、
最低だ。」「ごめん、お願い、黙ってて」俺は小ずるい久美の一面をみた。
「服着ろよ」俺はカーテンの外に出た。ごそごそしている久美、やがて
ジャージ姿でカーテンを開けてでてきた。そこへ先生が戻ってきた。
驚く先生。俺の後ろでうつむく久美。「先生、みそこなったぜ、生徒を
推薦で体奪うなんて最低だ」、俺は出て行こうとした。先生は急に
土下座して「頼む、このことは誰にも言わないでくれ」「いわねえよ、
こんな最低なこと、ばかやろう」俺は荒っぽい言葉がぼんぼん出る自分が
不思議だった。合宿所に戻っても眠れなかった。その日の練習は
熱があるからと言って休んだ。久美がやってきた。「ごめん」
「しらねえよ」「お願い、黙ってて」俺は腹がたってきた。それしか
いえねえのかよ。よーし、最低には最低のことしてやろう。
「黙っててほしいか」「うん」「今日、午後俺の家に来い」「!」
「それで黙っててやるよ」「そんな」「いやならいいぜ、来るか来ないか
自分で決めろ」俺は立ち上がって、「先生、いや、すけべやろうに
俺は怒って帰ったっていっときな」そう言って合宿所を出た。
来るか、来ないか、もともと言うつもりもなかったが保身ばっかりだったから
腹立ってつい出た言葉だ。家で待っていた。来るか来ないか。
来た。・・・あとのことは長くなるのでやめる。