私の初めては、高2の冬…当時の担任の先生でした。
S先生、当時27歳独身。
とにかくカッコイイ、カッコいいのに気取ってなくて、気さくで明るくて、面白くて優しくて…
そんな先生だったから、当然、みんなにも人気ありました。
みんなは結構積極的だったから、軽く先生に「Sせんせ~好き~」なんて言えちゃうし
なんだかんだで先生の傍に行けちゃうけど、私はそういうの、ダメでした。
ほんとに、遠くから、先生のコト、そっと見てるだけでよかったんです。
たまに、先生が話しかけてくれるだけで、嬉しくて恥ずかしくて、
真っ赤になって俯いてしまうような子でした。
でも、そんな私が、今思うと自分でも考えられないくらいに
大胆な行動に出てしまいました。
…私の親友、Y子が、先生のコト、本気で好き・・と言い始めたのです。
Y子はかなりの美少女で、今でいうと橋本愛ちゃんに少し似てます
どちらかというと無口なほうで、結構オトナっぽくて色気もあって、
思いつめたら激しい性格・・なのは知ってたので
これは、大変なことになるんじゃないか…と思ってました。
実はその頃、Y子は自分のクラスの女子と上手く行ってなくて、イジメっぽいことがありました。
Y子って綺麗なんですが、あまり喋らないので、そういうところが誤解を受けやすかったんだと思います。
Y子の1年のときの担任が、S先生だったので、その頃からよく相談に乗ってくれてた、とは聞いてはいました。
案の定、ある日の月曜日にY子は
「昨日センセ~の家に行っちゃったんだ」と唐突に話し始めました。
「クラスの女子のコトで、、電話で最初、相談してたんだけどね。。
なんか・・泣いちゃって、上手く話せなくなっちゃって…
そしたら先生が、今から行くからって、家に来てくれるって言ってたんだけど。。
でも、親に知られたくないって言ったら、じゃあ、どこかで待ち合わせようか?…って。」
少し間をおいて、Y子は話し続けました。
「駅の裏で待ち合わせてね、どこで話そうか…ってなって。。
私があんまりこういう話、人に聞かれたくない…って言ったら、
じゃあ、俺んち来るか?って。。
…先生の部屋、ホント先生らしいっていうか…先生も、俺の部屋汚いだろ?なんて言って笑ってた。
先生、腹減ったな~、なんか食うか?って、
先生って、結構料理上手なんだよね。。先生の笑顔とご飯一緒に食べたら、
気持ちがあったかくなって、楽になったんだ。。
それから、先生と一緒にDVD見て…肝心な女子の話はあんまり出来なかったけど
先生が一緒にいてくれると、つらい事も、忘れられるんだ…」
先生と、Y子のことを想像しただけで、私のほうが聞いてられないくらい、つらくなってしまいました。
「先生ね、またつらくなったら、俺が聞くから。」って言ってくれたんだぁ。。
普段ミステリアスなY子が微笑んだら、これで魅かれない男の人っていないだろうな…
先生も、きっと、そうなんだろうな・・
それからもY子は、女子のコトで…を理由に、先生に頻繁に会いに行くようになりました。
そのたびに私に細かく報告するので(ただ一緒に過ごしていただけなのですが)私はつらいのと同時に、焦ってしまいました。
・・先生を、自分のモノにしたい・・そんな気持ちが沸々とわき上がってきたのです。
…けれども私の場合、Y子のような美人でもないし、地味な子だったので、先生好きだけど
理由もなく先生の家にいくわけにもいかないし
どうしていいか、分からずにいました。
そうこう悩んでいたら、たまたま先生と2人きりになってしまいました。
ちょうど今くらいの季節・・私は文化祭の仕事で放課後かなり遅くまで残っていました。
「おう、どうだあ?進んでるか~?」先生は様子を見に来てくれました。
皆一足先に帰ってしまった後で、私が最後でした。
「お、みゆ1人か?」
「…はい・・」
先生は片付けと戸締りを手伝ってくれて、薄暗くなった廊下を2人で歩いてました。
先生は、一生懸命話をふってくれてるのに、私は返事をするのもやっとで・・
そんな自分が情けなくて、涙が出てきてしまいました。
「お、おい、大丈夫か?!どした??」
先生は私の顔を覗き込みました。
「…あの、、あの、、私、せんせいが・・好きです・・」
先生は、ビックリして、私を見つめていました。
「・・ご、ごめんなさい・・さよなら…ッ」
私は逃げるように帰ってきてしまいました。
次の日、先生は私のコトを気にしてる様子で、ちょこちょこと視線を感じましたが、気付かないフリをしてました。
休み時間に先生が私に、放課後教材室に来るように言いました。
教材室に入ると、先生が資料を出すのを手伝ってほしいと、言いました。
しばらくして
先生「あのな・・昨日の事…なんだけどな…」
私 「あ、あのッ・・ごめんなさい!忘れてください!ほんとに、ごめんなさい!」
私は恥ずかしくて、昨日のコトは無かったことにしたいくらいの気持ちでいっぱいでした。
先生「…そっか…無かったこと…か・・」
先生はそういうと、無口になりました。
いつもと雰囲気違って、横顔がちょっと怖くて・・
私 「あの・・怒って…ますか…?」
先生「…いや、別に…何で?」
私 「…だって、、いつもと…違うから…」
先生「…みうはさ、好きでもない奴に、ああいう事、言うのか?」
私は…そうじゃないのに…そう思いながら、俯いてしまいました。
先生「俺さあ、昨日ちょっと・・嬉しかったんだけどな…みうから言ってくれたから
みうからぶつかってきてくれたから。。
俺は〝アリ〟なんだけどな。」
私 「…え……?」
先生「…お前…ニブいなあ…。。お前も昨日言ってくれたから俺も言うけど
俺も気持ち同じってコト!」
それって・・それって・・え…だって・・・私は頭が混乱してきました。
先生「…お前の、そーいうとこがウブくて可愛いんだよなっ・・」
先生は私の頭を腕でギュって抱き寄せて、そのままキスされました。
ほんの、一瞬でしたが・・
何か色々同時に起こって、クラクラして、でも嬉しくて、また泣いてしまいました。
先生「…ああ、もう、ホントしょうがねーなあ。」
そのまま、ギューって抱きしめられました。
先生の胸に顔をうずめて、しばらく泣いてました。
…先生は、Y子とはどうなんだろう…って、ふと頭をよぎりましたが、そのときは聞けませんでした。
その後の話は、また後日に。。。