中学の時、なぜか教師(男)に気に入られる事が多かった。
隣のクラスの担任は、遠くからでも、すれ違う時でも、私の名前をフルネームで呼んできた。
別に用事があるわけでもないのに、名前を呼んでくる。
三つ編みにしていた髪を引っ張ってくる男子がいたけど、あんな感じだった。
つまり、ちょっかいを出したい、そんな感じで。
いい名前だと何度も褒めた。
美術教師は、人物デッサンの時に、私をモデルにして見本を黒板に書いていた。
特徴のある髪型にしていたので、私がモデルだとすぐに気づいた。
授業中、生徒のデッサンを見て回り、私の席にきた時に、たいして上手くもない私の絵が仕上がるまで側で見ていた。
時々こっそり頭をポンポンと軽く叩かれた。なにかな?と見上げると、にっこりと微笑んでいた。
私も微笑み返すと、満足げに頷いた。
大林監督みたいな先生だった。
掃除の時に、面倒くさくなって階段に腰掛けていたら、神谷先生が通りかかった。
怒られると思ったので、気だるい顔をしてじっとしてた。
どうした?
熱っぽいかも…
神谷先生は階段に座ってる私の隣に腰掛けて、おでこに手を当てた。キスしそうなくらい近寄ってきた。
微熱だね、で済んだ。