「辛くなったら電話してな」と言われていたので、さっそくその晩、先生の携帯に電話をかけました。
会議中だったにもかかわらず、私の話しを聞いてくれました。先生の優しさに思わずまた涙してしまうと、電話越しに「よしよし、よしよし」と言い、慰めてくれました。
その後、先生の方からかけてくれたり、私からかけたりを何度か繰り返すうちに、私は男の人に襲われたこと、男の人に対する恐怖心を完全ではないにしろ少しずつ忘れていきました。
そのとき…私は先生のことを、一人の男性として好きだということに気付きました。
夏休み、文化祭の練習で早く学校に行くと、まだ私と先生の二人しかいませんでした。
暑いので、二人でクーラーの集中管理室に行くと、妙な空気になってしまいました。
私は「先生、ごめんね」と言いました。今まで、重い内容の相談にのってもらって、迷惑をかけていたなぁと思ったんです。
でも先生は「何言ってるんだよ」と微笑んで、私の肩に一瞬だけ手をまわし、ギュッと私を抱き寄せました。
「いいんだよ。」先生は、私の手を握って、一緒に集中管理室を出ました。
しばらく手を繋いで歩きましたが、女の先生が通ったので、先生はパッと手を離しました。