「先生」は、去年うちのクラスの担任が、病気療養のためにしばらく学校を休んでいたとき、臨時の担任として私のクラスに来ました。
学年が上がって、担任が変わってからも、先生にはよく相談にのってもらったりしていて、お父さんみたいな先生が私は大好きでした。
……夏休み目前の、下校中。地下道を歩いていると、知らない男の人が声をかけてきました。「おじさん、きみみたいな女子●生と話してみたいんだ…」
男の人は私を無理矢理、人目につかない場所に連れこみ…いろんなことをしたり、させたりしました。気付けばそいつはいなくなっていて、私はただ泣き続けました。あまりそのときことは覚えていないのですが…。
翌朝、とっても早く学校に登校してしまった私は、職員室の先生のもとへと行きました。
涙でぐしゃぐしゃになった私の顔を見た先生は、紙とペンを差し出し、「書けるか?」といったので、私は最低限の言葉をまとめて書きました。
先生は1回だけ頷き、指で私の涙をなぞるようにして拭いてくれました。
そして先生は心配して、私に携帯の番号を教えてくれました。