実家の近くで美容室をしてたオバチャンの葬儀に出席した。店の名前はあるけど、通称パーマ屋さん。母親がいつも世話になってて、俺も小学生の時はオバチャンに髪の毛カットしてもらってたから。心臓の病気で急死だった。まだ70歳、早過ぎだよ。
娘のミキちゃんは、俺の2歳上でした。お兄さんは5歳位年上ですが、あまり記憶はない。
ミキちゃんは地元を離れ、バレーボールが強い私立高校へ進んだと聞いてました。
葬儀が終わり、改めてミキちゃんに名刺を渡して挨拶をした。俺は中学に入学した時は背が小さく、130センチほどしかなかったから。同じ目線になって気が付かなかったと驚かれた。
「建設関係の仕事してるんだね」
「まぁ、営業だけどね」
たわいもない会話だった。
2か月ほどしてから、田中と名乗る女性から電話がきた。ミキちゃんからで「店をリフォームして美容室を経営しようと考えてる」というものだ。オバサンの店は古い雑居ビルの1階で、今はテナント募集中だ。ミキちゃんと不動産屋へ行き話を聞いた上で「やめた方がいいんじゃない?また、なにかあれば」と答えて俺の電話番号を伝えた。
更に一か月後、またミキちゃんから電話があった。
イオンモールの某コーヒー店で待ち合わせした。
やっぱりオバサンの店をリフォームしたいと相談だった。不動産屋から連絡があり、格安で提供すると言われたらしい。とりあえず見積書を出して欲しいと言われた。
ミキちゃんも美容師で、オバチャンの店を引き継ぐ形で経営したい。いつかは、と思ってたらしく意思は固かった。
「美容機器は中古にし、出来るだけ安価で済ませたい」と相談された。俺はあくまでもリフォームなので、それからは割と頻繁に会ってた。
オバチャンの生命保険も役に立って、リニューアルオープンは半年後だった。都会から来た腕利きの美容師という噂で、店は今も繁盛している。
この前、初めてミキちゃんにカットしてもらった。アラフォーとは思えないほど若々しく、シャンプーしてる時に勃起してしまったww
会計を済ませる時にミキちゃんから
「雅起くん、今日は実家に泊まり?」
「そう、泊まって明日戻ろうと思う」
「そっか、少し時間あるかな?」
「別にいいよ」
駅の近くの居酒屋で軽く飲むことにした。