俺はかなり真面目な生徒だったと思う。
勉強云々ではない、生活態度そのものだ。
俺には小学生の頃からの仲間がいる。
マサキ、ヨウヘイ、マヤの三人だ。
マヤは俺達三人の中で唯一の女だったけど、俺達なんかより余程度胸があった。
小学生の頃、ブロック塀の上を冒険と称して歩きながら遊んだ記憶がある人もいると思う。
マヤはそこから誰よりも先に他人の家の物置の屋根に上がり、家主に怒られる位に活発だった。
そして平気で飛び降りて逃げる足の速さも一番だった(笑)
俺はその四人の中で一番背が低く、成長が遅かった。
しかし小6の頃にはマヤも身体も丸みを帯び、成長の遅い男では解らない悩みも増えたと思う。
「今日はお腹が痛いから…」
恐らく生理痛だろう、しかし俺達には解らない。
「マヤ弱え~!」
なんてからかっていた。
それでもそんな時以外は相変わらず俺達と遊んでいた。
ある日、放課後に四人で遊ぶ約束をしていたがマサキとヨウヘイの都合がつかなくなった。
どちらかは忘れたが、勉強をしないからと外出禁止、もう一人は家の用事かなんかだ。
「しょうがないね、ウチに来る?」
マヤから誘われた。
「良いの?」
当時、女子の家に遊びに行くのは何となく格好悪いという雰囲気があり、俺達三人もマヤの家へ誘いに行っても上がる事は無かった。
「ゲームでもする?」
一人でいても暇だし…二人で外遊びもつまらないしというのが本音らしい。
普段のマヤからは想像出来ない位に部屋は女の子していた(笑)
ピンク系が多く、ぬいぐるみもある。
「なんかイメージと違う!」
という感じの事を言ったはずだ。
プレステを立ち上げ、お互いキャーキャー言いながらリッジレイサーをやった。
普段は何とも思わなかったがゲームに夢中になり、身体を動かす度にマヤのスカートからからチラチラと下着が覗き、ドキドキしていた。
マヤは俺の視線に気付いたのか「何?」と言いながら俺を見つめ返した。
「何でもないよ…」
妙に心臓が激しく打つ。
「ふ~ん?そう…」
マヤは少しニヤッとするような顔をしながらそれ以上何も言わなかった。
「じゃあそろそろ帰る…」
夕方五時になり、俺は帰る意思を伝えた。
「うん、じゃあまったね~!」
呑気に玄関先まで見送りに来たマヤに手を振り返しながら自転車を飛ばした。
「なんだ~!?何でドキドキしてるんだ?」
帰り道は自分に疑問を抱いていた。
とは言え所詮小学生、ご飯を食べる頃には忘れていた(笑)
続きます