U子とはキス以上には進まなくなっていました。
仲が悪くなったわけではなくあれ以来真面目(?)な付き合いをはじめ、自分の中では性的な興味が一時的に抑えられていたんだと思う。そんな感じで一ヶ月位が過ぎ、GWには恒例の合同家族旅行で那須のホテルに行ってきたのですが…。
初日の観光中は男女で行動していたが、ホテルに着いてからは両親達が温泉に、僕達は室内プールに分かれた。久しぶりに見るU子の水着姿、体のラインは以前より胸は膨らみ、くびれも深くなっているように見え、背筋から顎へのざわつきを感じた。
GW中らしくプール内は混み合っており、動くたびに誰かにぶつかってしまう。
「これじゃ泳げねぇよ」
「うん、あっち行こうよ」僕達は窓辺奥のビーチチェアに座る事にした。そこはカップルシートになっており、自然と肩や腕が触れてしまうので僕は少しはみだす様な姿勢でいたのだが、
「落っこちるよ。もっとこっち来れば?」
「うん、いいの…?」
「何遠慮してるの?Tらしくないよね」
体を寄せるとやはり体が密着してしまう…
「結構狭いよね…そっか、こうすればいいじゃん」
U子は僕の左腕をとり腕枕の状態にした。
「…恥ずかしいよ」
「ここなら平気だよ」
確かに周りからは死角になってはいるが、この姿勢を自然にするには僕は経験不足であった。左肘から先は行き場を失い硬直していまっている。
「こうすればいいの」
U子に促され肩を抱くような姿勢になり、体を斜めにして僕に体を預けてきた。「…重くないよね?」
「…うん、平気」
正直なところ密着されている為、胸の膨らみがいやでも目に入り、抑えられてた感情がいやでも呼び戻されてしまう。
「T、ドキドキしてるんでしょ…」
「してないよ!」
「嘘、こうしてると聞こえるもん」
「…。」
「……。」
首筋に心臓があるみたいになってきた。
「泳ごうよ!」
「…え、」
「人、少なくなったし…」「…う、うん」
何となく顔が合わせづらい…。夕飯の時間が近いせいだろう、人気の少なくなったプールに僕は飛込んだ。
初日の夕飯はバイキングにしてもらったのだが、両親達はある程度食べてしまうといつものようにカラオケスナックに行ってしまった。
残された僕達はデザートを全種類食べようと意気込んでいた。とはいえ最後のケーキに限界を感じたもののU子は許してくれず…
「あと一口だよ!はい、アーン(^○^)…、おめでとう!完食でぇす!」
部屋に戻ると僕はベッドに仰向けに倒れこんだ。
「…まじ気持ち悪ぃ…」
2~3分してドアをノックする音に反応する事すら出来ないでいると、U子が入ってきて心配そうに枕元に座った。
「…大丈夫?」
「…。」
喋る気力すらない。
「水とか飲む?」
「…。」
息苦しさはあるものの複雑な心地好さがあり、そのまま眠ってしまった…
目覚めた時部屋は薄暗かったけど、隣に人の気配があるので見るとU子がうつ伏せに寝ていた。
そういえば額には濡れタオルが置かれているし、ずっと看病してくれてたようだ。