早くちゃんとした身なりに戻りたくてなりません。
改札を出てすぐ、商業ビルに続くエスカレーターに飛び乗っていました。
服を着ようとトイレに向かいながら、
(いや・・・)
私は、悪くない・・・
頭の中がぐるんぐるん混乱してきます。
(もうだいじょうぶだよ)
(大丈夫だから)
生まれて初めて痴漢に遭ったわけじゃあるまいし・・・
考えてみればよくあることでした。
(ちょっと落ち着こう)
(コーヒーでも飲んで)
そう思ったとたんに、全身の血が逆流するような興奮に襲われます。
コーヒーを飲むためには、
(カフェ)
どこかにいい感じのところないかな・・・
(それにしても)
(すごい人混みだな)
われながら、ぜんぜん懲りないとはこのことでした。
トイレに寄るのはやめて、
(どきどきどき)
建物から出ます。
(どこかカフェ・・・)
(人が多すぎる)
急に思い立ちました。
通りかかった空車のタクシーを拾って乗り込みます。
行き先を告げました。
「〇〇〇〇の駅前まで」
ここからなら、それほどは遠くないはずです。
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