その日、私は上下純白のランジェリーに、白のガーターストッキングに、喪服を着て黒のブーツ姿で家を出た。
我ながら異様な出で立ちだけど、行き先は墓苑。
命日でも、お彼岸でもないけど、私にSMを教えてくれた大切な恩人に会うため、何日も前から考えていた。
今年はコロナ禍で、身内の墓参りも自粛を余儀なくされたから、喪服を着るのも彼の葬儀以来だった。
当日は小春日和の好天に恵まれ、温かくて絶好の露出日和。
(アノ人のおかげかも?)
と故人を偲びながらクルマを走らせた。
駐車場にクルマを停めて、事務所で献花する花束を買った。
故人の好みの花なんて知らないから、ここはテキトーに済ませた。
係りの人に場所を尋ねて、苑内を案内して貰った。
墓標の前に立ち、しゃがんで花と線香を手向けた。
手を合わせて、心の中で、
(ねぇ、見えてる?)
(今日は貴方の好きな白いショーツだよ)
と囁きながら、閉じた膝を、墓標に向けて開いた。
遠くに故人の喜んでる声が聞こえたような気がした。
コロナ禍で溜まったストレスが、スッと消えて行くように感じた。
ほんの気まぐれで来た墓参だったけど、恩人に大好きなパンツを見せてあげられて、気持ち良かった(笑)
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