いまだにバレンタイン週間の余韻が残る週末。
チョコの匂いを消すために、朝から掃除と洗濯をしている。
この一ヶ月近く、口や鼻にチョコの甘い香りが染み付く生活。
子供の頃なら、天国みたいな話だけど、大人になるとウンザリする時もある。
童話に出てくる「お菓子の家」なんて、大人には地獄じゃないかと思ったりする(笑)
そんな事を考えながら、コインランドリーに来ている。
お祭り騒ぎに疲れた様子の母親と、チョコレートを食べて元気な子供の対照的で微笑ましい。
「私が遊んであげようか?」
と子供をナンパしたら、窶れたお母さんが、
「すみません」
と言った。
可愛い子供を産んで育てるのは大変そうだ。
私が男の子と遊んでいる間も、彼女は我が子から目を離さなかった。
最初は人見知りをしていた子供も、玩具で遊んでいるうちに、テンションも上がって、すっかり仲良くなった。
子供の元気な姿を見ていたお母さんもママ・エネルギーを回復したらしく、明るい表情を見せるようになった。
子供の手が私の胸を掴んだ。
母親は慌てて、
「やめなさい!」
と子供を叱ったが、
「大丈夫ですよ」
と私は彼女に微笑んでみせた。
母親は恐縮してたけど、無邪気に触られた胸は、不快な感じはしなかった。
多分、子供のスケベは、お父さんからの遺伝なのだろう。
触られたお返しに触り返すと、
「くすぐったい」
と言って、子供は大笑いしながら悶絶していた。
まだ性感帯も開発されてない子供は、触られるだけで笑う。
大人になれば、女の子に触られる悦びも知る、と思いながら、乾燥機が止まるまで、にわかママに成りきって、子供と戯れた。
一人者の洗濯は、早く済んだ。
フカフカに仕上がった洗濯物をランドリーバッグに詰め込んだら、
「暖かいね」
と、バッグを触った男の子が言った。
お別れのハイタッチをして、コインランドリーを出ると、ガラス張りの中から、男の子が私に手を振っていた。
私のオッパイを触った手を見ながら、私は駐車場でクルマに乗り込んだ。
他愛もない日常の出会い。
ニットの上から、見知らぬ異性に掴まれた感触が、別の意味で心地良い余韻となって残った。
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