部屋に上がると、直ぐにお仏壇へお邪魔しても良いか確認した
おばあさんは、ニッコリ笑い、お線香も焚いて欲しいとのこと
お線香をあげて、手を合わせ、奇妙な時間が流れた
座布団を擦る音がして振り向くと、おじいさんが座布団を並べていた
並べると言うより、4、5枚敷き詰めるように
持っていた杖で、私にそこへ座るような仕草をし促す
ペコッとお辞儀をして、不自然な座布団に座らせていただいた
「お姉さま、今日だけでいい、ワシらの嫁になってくれないか?」
おじいさんがそう言って、座敷の壁に取り付けてある写真に目をやる
額に入れてある写真には、30代くらいの男性と女性が微笑み写っていた
「ワシらの息子と嫁さんだ」と、おばあさんが教えてくれた
見た瞬間、身体に電気が走るような感覚になり、思わず立ち上がり写真を近くで見せていただいた
似てる…
私に、そっくりだ…
悪寒がして鳥肌が立った
こんなにも自分に似ている人が世の中にいるのかという驚きと、今日何故ここへ来たのだろうか、自販機なんてたくさんあるのに何故ここへ
「息子は、嫁と事故に遇ってね、10年前に死んじまった」
「………」
なんてことだ
このお二人は、愛息子さんとお嫁さんを同時に亡くしたのか
言葉がなかった
ひたすら私は、写真の中の仲睦まじく微笑む二人を見ていた
すると、おじいさんが杖で、私のスカートを持ち上げようとした
私は何か得体も知れない空気感の中、身動きも取れず声も出せず、ただ、おじいさんがすることを見ていた
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