3人で、急こう配の階段道を下っていきました。
「あぶないから気をつけて」
崖を沿うような感じでカーブしていくと、いきなり眼下に野天風呂の景色が広がります。
立ち止まって、
「わあっ、すごい」
渓流沿いの岩風呂を見おろしていました。
人の姿はどこにもありません。
「あ、あ、でも」
「これって外からまる見えなんじゃないですか?」
困惑したようにつぶやいてみせます。
「大丈夫ですよ、こっちは男湯だから」
「女湯は、ほら、あそこの・・・わかる?」
指さされたほうに目を向けました。
「女湯は見えないようになってるから」
「ぜんぜん心配ないよ」
お上品そうなキャラクターを印象づけながら・・・
なおも戸惑っているふりをします。
「もし覗きとかいたら」
「私、本当にそういうの嫌なんです」
不安そうな顔をしました。
きょろきょろと、何度も対岸の川沿いに目を走らせます。
じゅうぶんでした。
これだけ警戒心が強い素振りを見せつけておけば・・・
そんな『私』を覗き見ることができたとき、この人たちの興奮はきっと倍増するはずです。
(こんなに、ガードの固そうな女だよ)
そう・・・
私は、このおじさんたちを喜ばせてあげたい気持ちでいっぱいでした。
すっかり仲いい感じになったこのふたり・・・
(ねえ、もし女湯を覗けちゃうとしたら)
(どうする?)
「大丈夫そうですね」
ようやく安心したような顔で、微笑みを取り戻してみせます。
※元投稿はこちら >>