風も無く生暖かい夜でした。
駅から少し離れている為、人通りはほとんどなく、たまに自転車が行き交う程度。
地図の上ではすぐ近く、目の前の大通りを左に行けば、、、ありました。
20メートル程先、交差点を過ぎたあたりにあるお馴染みの看板を目印に、慣れない浴衣の裾を気にしながら進みます。
意外と広い店内に入ると、他のお客さんがチラホラといる中、2人はドリンクコーナーに向かいますが彼女は
「ちょっとトイレ。」
「はい。あたしその辺にいるから。」
店内をフラフラしていると彼女が戻ってきましたが、片手で浴衣の胸元の合わせを、もう片方の手で浴衣の裾を押さえた妙な格好です。
「どれにする?」
「・・・」
無言で500mLのペットボトルを手に取った彼女が小声で囁きました。
「・・ヤバイです。」
「ん?何が?」
「あたし達、浴衣1枚しか着てない。。」
「そうだよw」
「・・・」
何を今更、とあたしは答えましたが彼女の動揺は収まらない様子。
「そ、それに。。」
「それに?」
「・・この浴衣、、光の加減で、結構、透けちゃう。。」
「ん。まぁ生地が薄いもんね。」
意に介さずレジに向かうあたしの後ろを、身体を縮めた彼女が追いかけてきますが、レジの前で2人分の会計を済ませて店を出ようとすると彼女の脚が止まります。
「ん?どうした?」
「・・この格好でホテルまで。。」
「うん。来た時もそうだったし。」
「・・・・」
急に臆病になってしまった彼女ですが、まあ分からないではありませんw
か、このままという訳にもいかず、一計を案じます。
「Tちゃん、お店の外より中の方が明るいじゃん?」
「・・?」
怪訝そうな彼女に向かい続けます。
「Tちゃんがさっき言った通り、浴衣が透けやすいからさ。。」
「・・・」
「お店の外にいるあたしから、お店のなかにいるTちゃんの浴衣、透けて見えるよw」
「!」
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